宝くじ「当せん金」への“非課税”制度に落とし穴も!? 「億単位」の“税金”が取られるリスクとは…【税理士解説】
贈与税がかからないようにする方法は?
では、贈与税がかからないようにするには、どうすればよいのか。黒瀧税理士は、宝くじを「共同で購入する」形をとるしかないと指摘する。 黒瀧税理士:「共同購入して、自分が出費した購入代金の割合に応じた額を受け取る形であれば、贈与税の対象にはなりません。 たとえば、2人で3万円分(100枚)購入して、それぞれ半額の1万5000円ずつ出し合い、当せん後に当せん金を半分ずつ分け合うといった方式です。 もちろん、購入時に1人に立て替えてもらって、後で支払う形でも問題ありません。 共同購入契約は口約束でも有効ですが、万全を期して契約書を作成しておけばなお良いでしょう。 なお、あまり知られていませんが、インターネット購入の場合は公式HPに『共同購入』のコーナーがあります。グループを作って共同購入し、当せんしたら、各自が購入した枚数の割合に応じて当せん金が分配され、それぞれ予め登録しておいた口座に直接振り込まれます。人数未満の端数が生じた場合はグループに参加した順に1円ずつ割り当てられます」 窓口で宝くじを共同購入した場合はどうか。50万円以上の当せん金については、みずほ銀行の本店または支店で受け取りの手続きをする必要がある。どのような点に注意しなければならないのか。 黒瀧税理士:「原則として、共同購入者が全員揃って銀行へ行き、『当せん金証明書』を受け取ります。本人確認書類(運転免許証、健康保険証等)と、当せん金が100万円を超える場合には印鑑も必要です。 どうしても全員のスケジュールが揃わない場合は、行けない人が委任状を代表者に渡して手続きをしてもらうこともできます。 いずれにしても、家族や友人等で当せん金を分け合って贈与税が課税されないようにするには、共同購入する形をとり、かつ、受け取る時も、それぞれの口座に直接振り込まれるよう、手続きをすることが大切です。 いったん誰かの口座に全額が振り込まれたとなると、その後のお金の移動は贈与と扱われるリスクが高くなります」 よく、宝くじは「夢を買うもの」といわれる。しかし、せっかく当せんし、高額な当せん金を受け取っても、形式を誤ったばかりに高額な税金を払うハメになり「夢から覚める」という事態は避けたいものだ。
弁護士JP編集部