22万人犠牲、スマトラ沖地震から20年 次世代への記憶継承が課題
東南アジアなど14カ国で22万人超の死者・行方不明者が出た2004年のスマトラ沖大地震・インド洋津波から、26日で20年を迎えた。大きな被害が出たインドネシアのアチェ州では追悼式典が開かれた。発災から時が経ち、次世代への記憶継承が課題となっている。 【写真】インドネシアに建設中の新首都 最大の被災地となったのは、スマトラ島北端にあるアチェ州だ。高さ約30メートル超の津波が沿岸部に押し寄せ、約5キロの内陸まで到達した。インドネシアでは同州を中心に、16万人超が死亡・行方不明となった。 26日、州内は祈りに包まれた。 4万人超が埋葬されたシロンにある集団墓地では、絶えることなく人々が訪れ、イスラム教の聖典コーランの一節を読み上げる声があちこちで聞こえた。 14歳のとき両親と4人の兄を亡くしたサルランさん(34)は20年間、毎年欠かさずここに来ている。家族の遺体は見つかっていないが、「ここに埋葬されていると信じて来ている」という。 今年は特別だ。1歳の娘を初めて連れてきた。若い頃、亡くなった家族に「いつか家族ができたら連れてくる」と誓ったからだ。娘を抱きながら、「約束を果たせてうれしい」と喜ぶ。
朝日新聞社