処方箋なしで入手可能に!アメリカ初の「市販の経口避妊薬(ピル)」が発売へ
日本では医師の診察や処方箋のもとに処方されている「経口避妊薬(ピル)」。避妊や月経痛・PMS(月経前症候群)の緩和、生理周期を整えるためなどに使われています。 【写真】アメリカの薬局などで2024年3月末から販売開始!市販の経口避妊薬「オピル(Opill)」 アメリカではこのほど、初めて処方箋なしで服用できる経口避妊薬が3月末から販売されると発表され、注目を集めています。
アメリカ初の市販の経口避妊薬
今回、アメリカの大手小売店や薬局で処方箋なしに買えるようになったのは、経口避妊薬の「オピル(Opill)」。 経口避妊薬は飲み薬による避妊方法で、毎日決まった時間帯に服用することで高い避妊効果を発揮するもの。アメリカではほかにも避妊注射や避妊の皮下インプラントなどの選択肢がありますが、ピルの使用率が一番高いそう。 妊娠の可能性がある性交の72時間以内に接種することで避妊効果を示す「緊急避妊薬(モーニングアフターピル)」はすでにアメリカ国内で薬局などで販売されていますが、経口避妊薬の市販は初めてとなりました。 製造元のペリゴ(Perrigo)社は、2023年7月にFDA(食品医薬品局)の承認を受けたのちにすでに店頭への出荷が開始されたこと、そして3月末にはオンラインでの購入も始まる予定だと報告しました。 同社の希望小売価格によれば店頭での価格帯は、一カ月分は19.99ドル(約2,930円)からで、3カ月分 49.99ドル(約7,340円)ほどだそう。
「オピル(Opill)」とは?
オピルは黄体ホルモン(プロゲステロン)のみを使用している単独ホルモン剤で、規定通りに服用すれば98%の確率で安全かつ効果的に妊娠を防ぐことできると示されています。 一般的に避妊や月経痛・月経不順の改善などに使われる「低用量ピル(低用量経口避妊薬)」はプロゲステロンとエストロゲン(卵胞ホルモン)を含んでいます。<verywell health>によるとオピルは、“ミニピル”と呼ばれる種類のピルで、副作用のリスクを最小限に抑えたい人などに選ばれている薬なのだそう。 ミニピルはエストロゲンによる副作用が現れてしまう人や、肥満や喫煙などの体質を理由に低用量ピルの処方を受けられない人も服用が可能とされています。ただし他のピル(低用量ピル)より、同じ時間に確実に服用することがいっそう重要になります。 オピルは全年齢対象のOTC医薬品(一般用医薬品)ですが、乳がんのある方、または乳がんにかかったことのある方は服用できないとのこと。また緊急避妊薬ではないため、避妊をしていない性行為の後に服用しても妊娠を防ぐことはできず、HIV/AIDSやその他の性感染症(STD)の予防にはコンドームの着用が推奨されています。