初の代表選出、FW工藤の心の成長
日本のために全力で戦いたい
かつてはFW宇佐美貴史(ホッフェンハイム)やFW宮市亮(ウィガン)、FW大津祐樹(VVVフェンロー)らの若手が日本代表に招集されながら試合で起用されず、けがや所属クラブで出場機会を得られなかったことも手伝ってその後の継続的な招集に至らなかったことがある。 しかし、向上心に満ち溢れ、レイソルでの現状にも決して満足していない貪欲な工藤にとっては、ザッケローニ監督の助言も杞憂に終わるはずだ。FW香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)らと同じ空気を吸い、練習で一緒にボールを追いかけることが今後への血となり肉となるだろう。 「もし嬉しい話が来たなら、日本のために全力で戦いたい」。 前夜の全北現代戦後に代表入りへの夢を膨らませていた工藤は、クラブを通じてあらためて喜びのコメントを発表している。「日本代表に選ばれたことを嬉しく、光栄に思います。レイソルのチームメイトやスタッフに感謝の気持ちでいっぱいですし、レイソルの代表という誇りを持って、チームのため、日本のために精一杯戦ってきます」。 争うポジションはトップと、レイソルでも務めることのある右サイドとの「二刀流」となる。原技術委員長はドーハで行われる11日のイラク代表とのW杯アジア最終予選最終戦と、15日からブラジルで開催されるコンフェデレーションズカップに臨む日本代表23人も今回の26人から絞り込むと明言した。FW柿谷曜一朗(セレッソ大阪)やFW豊田陽平(サガン鳥栖)ら、Jリーグで結果を残している選手たちにも工藤のチャレンジは大きな刺激を与えるはずだ。 (文責・藤江直人/論スポ) ■工藤壮人(くどう・まさと) 1990年5月6日、東京都生まれ。23歳。小学校4年生から柏レイソルの育成組織で育ち、2009年にトップチームに昇格。類希な得点感覚と献身的な運動量で頭角を現し、昨シーズンはチームトップの13ゴールをマーク。今シーズンもすでに8ゴールをあげ、得点ランク2位タイにつけている。出場資格のあった昨夏のロンドン五輪には、最終的に招集されなかった。熱心な阪神ファンとして知られる。177cm、74kg。