佐藤瑠雅と坂井翔がW主演で尊い恋物語を描いた、ドラマ「彼のいる生活」
オタク用語としての「尊い」は、いまやすっかり市民権を得たように思える。素晴らしい、いじらしい、この上なく愛おしいなど、尊いという一言の向こう側には様々な思いが駆け巡っているが、まさにそんな"尊い"恋物語を描くBLドラマが「彼のいる生活」だ。若手注目俳優の佐藤瑠雅と坂井翔がW主演を務め、幼なじみ男子同士のピュアでじれったいラブストーリーが展開する。 【写真を見る】見つめ合う一仁(佐藤瑠雅)と夏川(坂井翔) 大学進学を機に念願の一人暮らしを夢見ていた夏川涼太(坂井翔)は、思いがけず幼なじみの田中一仁(佐藤瑠雅)とルームシェアをすることに。ルックスも性格もよくスポーツもできる一仁は子供の頃からモテていたが、彼の好きな人が夏川だったことが判明。それを知り夏川は一仁を意識してしまうが、一緒に暮らすうちに夏川の気持ちにも変化が生まれ始める。 一仁役を演じる佐藤瑠雅は、2022年に「仮面ライダーギーツ」(テレビ朝日系)で俳優デビュー。それまではダンス&ボーカルグループのメンバーとして活動していた彼は、演技未経験ながらも参加したオーディションを勝ち抜き、俳優としての一歩を踏み出すことになった。今作の挿入歌「クチナシ」でソロデビューを飾り、歌も演技もできる新星として注目されている。 夏川役の坂井翔はSNSでインフルエンサーとして人気を集め、モデル活動などを経て2022年に「高良くんと天城くん」(MBS)で地上波ドラマ初出演。その後も「墜落JKと廃人教師」(2023年・MBS)などに出演し、「ジャンヌの裁き」(2024年・テレビ東京系)では金髪のチャラいDJ役を好演した。ドラマのみならず、映画や舞台にも活動の幅を広げている。 両名とも主演を務めるのは今作が初で、佐藤はBLドラマへの出演も初となる。坂井は「高良くんと天城くん」に続き2度目だが、恋模様の中心となる役を演じるのは今回が初めてだ。 幼なじみから少しずつ変化していく2人の関係において注目すべきは、言えない恋心を抱えた一仁だ。目は口ほどに物をいうという言葉を体現するかのごとく、言えないものの抑えきれない想いがあふれてしまっているような、そんな恋する青年の雰囲気を佐藤は見事に醸し出している。 一方の夏川も、ただ受け身なばかりではない。一仁の気持ちを知って戸惑いながらも、けなげに向き合い、自分なりのやり方で一仁の気持ちに応えようとする夏川。やがて芽生えた一仁への恋心を不器用に表現しようとする夏川の感情の連なりを、坂井はひとつひとつ丁寧につなげていく。 繊細な2人の感情を巧みに捉える場面もさることながら、どこにでもいそうな男子2人の姿をナチュラルに映している点も今作の見どころの一つ。佐藤も坂井も普通の大学生の姿を自然体で演じており、ドラマはそんな彼らの生活を丁寧に紡いでいく。 一緒にご飯を食べたり、買い物をしたりといった風景が随所に挟まれるが、無邪気に笑いながら過ごす佐藤と坂井はまるで10年来の親友のようで、微笑ましいことこの上ない。BLファンとしても、こういった何気なくじゃれ合う2人の姿には、心をくすぐる「尊い」ものがあるはずだ。 文=本永真理奈
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