「佐賀県にとってタイミング悪い」衆院選の投開票日は全障スポ期間中 会場変更、職員確保…混乱する自治体
衆院選が10月15日公示、27日投開票となる方針が発表された。佐賀県内では国内スポーツの祭典「SAGA2024 国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会」（国スポ、全障スポ）を控える。さらに催事シーズンとあり、県内各地の自治体は、衆院選に割く人繰りや会場変更などの検討を余儀なくされている。 【写真】9月27日にあった自民党総裁選の中継を見守った佐賀市役所の職員ら 国スポは5～15日、全障スポは投開票日の27日を挟む26～28日に、県内各地で多くの競技が行われる。 基山町は選挙の開票所として使う町総合体育館が、27日は全障スポの卓球の競技会場となっている。町は急きょ、町立若基小体育館を開票所として使うことを検討。町選管の担当者は「人員配置も検討はこれから。早急に進めたい」と慌ただしい日程に追われている。 27日は全障スポのサッカーやバレーボールが開催される鳥栖市では、市職員55人ほどが全障スポの対応に当たる。市選管によると、深夜に及ぶ衆院選の開票作業には約100人の職員が必要で、「慣れた職員の確保など人繰りは厳しいものになりそうだ」とこぼす。 佐賀市では国スポ・全障スポのメイン会場となるSAGAアリーナ近くの若楠小グラウンドが関係者の駐車場になっている。同小は選挙の投票所にもなっており、学校側から「グラウンドは投票に来た人にも開放するのか」という問い合わせがあるという。市選管は「調整が必要になる。他にも同じような学校があると思う」と頭を抱えた。 伊万里市では国見台陸上競技場で26日から3日間、全障スポのフライングディスクが行われる。加えて26、27日は、伊萬里神社伝統の秋まつり「伊万里トンテントン」の本祭開催日とも重なる。昨年は2日間で計約10万人が訪れた同市最大のイベントで、市シティプロモーション推進課によると、今年は全障スポ効果でさらに多くの来場を見込む。同課担当者は「イベント運営に2日間で延べ35人の要員を計画している。絶対に必要な人員なので、選挙はどうにか調整してもらうしかない」と話した。 立民佐賀県連の関係者は、「国スポ・全障スポと選挙は別だが、石破氏は当初『早期解散はない』としていた。さっそく発言がぶれている」と批判。自民佐賀県連の関係者は、「佐賀県にとってタイミングが悪いのは事実。県の行事も大切にしつつ選挙の態勢を整えたい」と気を引き締めていた。 （取材班）
