『海に眠るダイヤモンド』は「壮大な愛の物語に」 企画の発端やキャストの起用理由、撮影の裏側を新井P語る
■杉咲花、土屋太鳳、池田エライザが演じる3人の女性も物語のキーに また1955年の端島で、鉄平を取り巻く3人の女性も、物語にとってキーとなる人物だと新井氏は語る。その3人とは、鉄平の幼なじみで恋心を抱く銀座食堂の朝子役の杉咲花、そして同じく鉄平の幼なじみの百合子演じる土屋太鳳、さらには謎の歌手として端島にやってきたリナ役の池田エライザだ。 新井氏は「この3人は、外国の方が見ても違いが分かるぐらい、雰囲気の違う方にしたかった」と語ると、特にリナ役については「歌えなければいけないという大前提があり、しかも芝居がしっかりしている人って意外と少ないんです」と難航したことを明かすと「池田さんはGP帯のドラマに出演しているイメージが、あまりなかったので、最初は断られるかなと思ったのですが、お父さんが端島の近くにある高島出身だったという偶然もあり、すぐに快諾していただけました」と裏話を明かす。 さらに杉咲と土屋については「杉咲さんは中学生のころ、土屋さんも高校生のころに作品でご一緒しており、またぜひお願いしたいと思ったんです」と語ると、鉄平の兄・進平役の斎藤工には「これまでも何度かお声がけさせていただいていたのですが、なかなかタイミングが合わず、ようやくご一緒できました」と念願だったことを明かす。 鉄平の親友・賢将役の清水尋也については「野木さんから清水さんがイメージに合うと提案をもらっていて。神木さんと親友役ということで、年齢差が心配だったのですが、まったく違和感がなかったです」と安堵の表情。さだまさしや現代パートに出演する謎の婦人・いづみ役の宮本信子という大ベテランの起用については「欠かせない方々。作品の思いをお伝えして出演していただきました」と語っていた。
映画のような規模で端島をリアルに再現「さすが日曜劇場」
また、本作は1955年の端島のリアルな生活が描かれる描写も大きな見どころだ。特に第1話では、当時の炭鉱員たちの沸き立つような熱気が素晴らしい映像と共に再現されている。 新井氏は「階段がある端島銀座は全部セットです。長期にわたる撮影なので、躯体がしっかりしたものでなくてはならない。本当にセットを立てる場所を探すのは大変でした。特に端島には緑がないので、ロケ地に緑があるとダメ。ある校庭でのロケのときは、一日かけて草むしりをしたぐらい」と苦労話は尽きない。 「美術さんは毎日本当に大変だと思います。毎日のようにトラック6台ぐらい来ていて、まるで映画のような規模。さすが日曜劇場という感じでした」とTBSの看板枠だからこそのスケールを実感したという。 ■人間模様を大切に「日曜劇場らしい壮大な愛の物語になります」 第1話を観た段階では、どこに物語が進んでいくのか、到底想像ができないほど内容が多岐にわたっている。新井氏は「後半は激動の展開になっていきます」と語りつつも、「取材でお聞きした内容を取り入れながら、一番大切に描きたいのは人間模様。日曜劇場らしい壮大な愛の物語になります」と先々へのヒントを出していた。 脚本・野木×演出・塚原×プロデュース・新井というトリオ。否が応にも注目は集まるが、新井氏は「今回はイマイチだったなと言われるのは悲しいので、皆さんの期待に応えられればいいですね」と笑うと「これまでとは違うジャンルの物語に挑戦しているので、『こっちもいけるんだね』と見方が広がってもらえるとうれしいです」と語る。 そして、第2話について「台風のシーンは、とんでもない水の量を使っています」と見どころを語ると「登場人物たちの恋模様が描かれていきます。過去で起きた出来事が、どう現代に結びついていくのか、それぞれの人生を玲央が知ることで、どう行動していくのか……楽しみにしていください」と視聴者にメッセージを送った。
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磯部正和