円は160円の節目意識、月末要因で一段安も-一時急反発も上げ縮小
為替巡り「適切に対応」「24時間準備」、財務相らが相次ぎけん制
通貨オプション市場でも円の先安感が意識されている。オプション需給の偏りを示すリスクリバーサル1カ月物は、円高方向のバイアスが5月上旬以来の水準まで弱まった。
今週は米国で国債入札が続くほか、27日に大統領選の討論会、28日に個人消費支出(PCE)コア価格指数の公表などが控える。三井住友銀の鈴木氏はこうしたイベントも円一段安につながり得るものとして警戒している。
神田ライン
神田財務官は2月、1カ月強の間に約10円も円安に動くのは「かなり急速」だと指摘した。ブルームバーグの分析によると、過去28日間のドル・円の変動幅は24日時点で6円32銭のドル高・円安。少なくとも163円までは「神田ライン」の10円に達しない計算で、介入の可能性は低いということになる。
りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは「市場は円売りしたがっている」とした上で、4月29日に続いて160円台を付けたからといってすぐに介入が入ることはないとの見解を示した。「159円台ではそこまで神経質ではなく、160円を付けてどういう値動きになるかが焦点。円安が加速した場合には、相場は神経質になりそうだ」と述べた。
一方、IGオーストラリアのトニー・シカモア氏は「次の日銀の介入が行われるのは、160円20銭前後の4月後半の高値を超えてドル高・円安が一気に進む時だろう」と予想した。
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Daisuke Sakai, Katsuyori Suzuki, Mariko Rakuyama