じゅうたんから虫がわく!?「カーペットビートル」と呼ばれるカツオブシムシの生態や予防法を専門家が解説
「その名も『マサカカツオブシムシ』。カツオブシムシの仲間の成虫は丸っこい小判型をしているものが多いのです。まず一般的なカツオブシムシがこちら【画像(3)】です」 「マサカカツオブシムシの成虫はまるで小さなカミキリムシのような形!…をしているのがオスで、メスには翅がなく、毛虫のような幼虫が変身に失敗したような不思議な形をしています」 ■マサカカツオブシムシの姿は…!? ーそのマサカカツオブシムシが非常に珍しく、画像が入手できないことから資料を参考に筆者が描いてみました。【画像(4)】は【画像(3)】と比較しても、確かに「まさか、カツオブシムシ!?」というフォルムです。 (大野さん) 「マサカカツオブシムシの大きさは2~2.5mmくらいと小さな虫です。見た目だけでも『まさか、これがカツオブシムシ!?』なのですが、コウチュウの仲間で、オスは翅があるといっても柔らかく、その飛ぶ姿は『カ』よりもさらに弱弱しいユスリカのような飛び方しか観察できません」 「当然翅のないメスは飛ぶことができず、その辺をずりずり動き回っているだけ…。こんな姿でどうやって住むところを移動しているのかはあまりわかっていません。名古屋、京都、大阪などで発見されているとされ、虫が好きな方の間では有名な虫の一つですが、他県でも発見されており、不思議なことに博物館などで見つかるケースが確かにあります」 (大野さん) 「まさか、博物館でたくさん発生する虫?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。ひょっとしたら実は身の回りにはそこそこいるのかもしれませんが、ほそぼそと生活しているマサカカツオブシムシの存在を知っていて、しかもその姿を見て『マサカカツオブシムシだ!』とわかる方が少ないからかもしれません」 「ちなみに、ヨーロッパにも分布しているマサカカツオブシムシ、『odd beetle』と呼ばれています。そのまま訳せば『奇妙なコウチュウ』ですが、柔らかく訳すと、『なんか変な虫』です。どうやら海外でも変わった虫な扱いを受けているようです」