ロッテ・大下誠一郎「1打席でどうやって結果を残せるか」、「準備だけを怠らず」いつ出番が来てもいいように意識を高く持って練習
ロッテの大下誠一郎は今季開幕一軍を掴み、開幕から1度も一軍登録を抹消されることなく一軍でプレーしているが、ここまでの出場試合数は18。オールスター明けの出場数は3試合で、打席数はわずかに2打席しかない。 0-10の7回に代打で登場した9月1日のソフトバンク戦は、一軍では7月10日の楽天戦以来の打席となったが、大山凌が投じた初球の152キロのストレートをしっかりとスイングし、左飛に打ち取られるも捉えたあたりだった。続く2-10の9回一死一、二塁の第2打席、「来た球をとにかく強く振ろうと思って、結果は後からついてくると思ったので、はい」と、又吉克樹が1ボール1ストライクから投じた3球目の143キロカットボールをレフト前に弾き返し、4月14日の楽天戦以来の安打を放った。 一軍でプレーしながら、なかなか出番が回ってこない中で、試合前の打撃練習で意識していること、どんなことを取り組んでいるのだろうかーー。 「普段から打席をイメージをして1球1球しっかりやっていけるように、普段の1球1球しっかりやっていくことです」。 「常に練習の時から試合で出て打てる準備をしてきたので、特に打席に立ったからこうやろうとかはなくて、普段練習でやっていることをきっちりやろうかなと思ってやっています」。 大下は本拠地・ZOZOマリンスタジアムで行われるフリー打撃では、最初の方に打つため、右の打撃投手が投げるボールを打つことが多い。「左ピッチャーは嫌じゃないので、右の方が練習になるのかなと思います」。 実際に試合に出場しないと、自身の課題点や現在の調子など掴みにくい部分がありそうな感じもするが、そこは「1打席しかないので1打席でどうやって結果を残せるかだと思うので、代打は難しいですけど、しっかりピッチャーと勝負できるように準備だけを怠らず打席に向かっていますけどね」と話した。 ◆ 役割を全う 試合前の練習では内野手登録でありながら今季から捕手にも挑戦し、田村龍弘、佐藤都志也とともに捕手練習。キャッチャーでの練習を終えると2種類のグラブを持ってファースト、サードでノックを受ける。 試合中には誰よりも大きな声でベンチを盛り上げ、イニングを終え、ベンチに戻ってきた投手を一番に出迎える。大下は「僕らも戦っているので、おかえりじゃないですけど、いい気持ちで次に行ってほしいし、守備を終わってからバッティングの切り替えなので、一番最初に切り替えさせられるように出迎えを意識してやっています。いいプレーしても必ず声をかけられるような心がけでやっていますね」とその理由を教えてくれた。 ネフタリ・ソトが本塁打を放った後、ベンチ前でパフォーマンスを行い、ここ最近はパフォーマンスが変わったようにも見える。ソトと打ち合わせや練習をしたりしているのだろうかーー。「練習はしていないですけど、仲が良いので次打ったら練習しようやという感じで決まった感じです」。 プレーヤーである以上、試合に出場したいという思いは持っているが、そこは大下自身でコントロールできるところではない。チームを盛り上げたり、攻撃中に投手のキャッチボールの捕手役を務めたりと、自分ができる役割を開幕から変わらず全うしている。「自分の結果よりもチームの勝ちに貢献できるように頑張ります」。チームの勝利のため、大下は戦っていく。 取材・文=岩下雄太
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