住友電工、超電導線材事業見直し。レアアース系に切り替え
住友電工は高温超電導線材の事業を見直す。これまではレアメタル系の高温超電導線材を手掛けてきたが、レアアース系に切り替える。イットリウムなど材料として用いるレアアース系線材は、磁場への強さや単位面積当たりに超電導状態で流せる電流値の高さなどが強み。市場の動向などを踏まえ事業のあり方を検討して、切り替えを決めた。 超電導は特定の物質を冷却すると電気抵抗がなくなる現象。高温超電導線材は超電導体としては高い、液体窒素温度で電気抵抗がなくなる線材となっている。次世代技術として大手電線メーカーでは開発や製造に注力している。 同社の高温超電導線材事業の見直しは7月から実施。「DI―BSCCO」の名称でレアメタルのビスマスを用いた高温超電導線材を手掛けていたが、すでに製造・供給・販売を停止している。 今後は従前から行ってきたレアアース系高温超電導線材の研究開発を継続し、線材の製造・販売を目指していく。レアアース系の特性を生かすことができる、磁場中で使用する用途に向けて供給したい考えだ。 電線大手メーカーでは古河電工やフジクラ、SWCCがレアアース系の高温超電導線材を手掛けている。