F1新車”雑感”解説2024「VCARB 01」は、正常進化ながらも、よりレッドブルに近いマシンに!
2月8日(日本時間9日)、ビザ・キャッシュアップRBは2024年のF1を戦う新車、VCARB 01を発表した。 【動画】ビザ・キャッシュアップRB”VCARB 01”登場ー新たな時代の幕開けー アルファタウリから装いを新たに、ビザ・キャッシュアップRBとしてF1を戦うことになったチームの新車は、チーム名の頭文字を使ったVCARB 01と名付けられた。 カラーリングはトロロッソ時代を彷彿とさせるメタリックブルーの配色に戻ったが、マシンは随所にアップデートが施されているようだ。特にレッドブルのコンセプトに近づけるために、いくつか興味深い変更が加えられている。 チームは昨季途中からレッドブルが設計したリヤサスペンションを使用していたが、今季からフロントサスペンションがプルロッド式に変更されているようだ。これにより、レッドブルのマシンと同様の組み合わせとなった。 チームが発表したVCARB 01の性能諸元でも、前後のサスペンションはレッドブル・テクノロジー製となっている。 先にマシンを発表したステークF1のC44も今季からプルロッド式に切り替えており、VCARB 01もそれと同様に空力面でのメリットを追求して変更だと考えて良いだろう。 フロントサスペンションのアッパー・ウィッシュボーンは前後でアームの高さが大きく変えられている。これはレッドブルが2022年から使用している手法で、ブレーキング時のノーズダイブを抑制するなど、車両の姿勢制御に貢献すると言われている。 その一方でVCARB 01は、昨年のアルファタウリAT04のデザイン要素も多く受け継いでいる。基本的には、AT04の進化形のように見える。 ノーズの形状は似ているが、フロントウイングのメインプレーン中央のくぼみはわずかに深くなっているようだ。 おそらく最も明らかな変更はサイドポンツーン部分、特にそのインレットだろう。横長で、下側がつきだした受け口のようなデザインは、レッドブルが採用していたコンセプトにより近いものであり、こちらもステークF1もC44に採用したデザインだ。 少なくとも現在公開されている画像では、サイドポンツーンの形状はAT04とさほど変わらず、ダウンウォッシュ型で上面に気流を導くチャンネルが設けられている。 リヤウイングも昨年後期型に近い、アッパーフラップの先端が露出したスタイルが継続採用されている。 AT04との類似性を考えると、2024年シーズンのテストやシーズン序盤に向けて新たなパーツやアップデートが投入されることも期待されるが、そもそも昨シーズン最終戦のフロアのアップデートは、レギュレーションの安定性を考慮して行なわれたものだったことを忘れてはいけない。 VCARB 01が今季のレッドブルRB20のデザインについて何らかのヒントをくれるのではないかと期待していた人たちは少しがっかりするかもしれない。しかし姉妹チームの新車にF1史上最強マシンとなったレッドブルRB19の遺伝子が垣間見えたとしても、まったく不思議ではないだろう。