中四国の鉄道会社で初、デュアルシート導入 一畑電車が新型車両「8000系」の概要発表 通勤・通学と観光需要への対応を両立
一畑電車(島根県出雲市平田町)が2日、2024年度中に導入予定の新型車両「8000系」の概要を発表した。混雑状況に応じて座席の向きを変えられるデュアルシートを中四国の鉄道会社で初めて採用し、通勤・通学と観光需要への対応を両立させる。来年3月2日から、北松江線と大社線の全線で運転開始する予定。 【写真】座席の向きが変わるデュアルシートを導入した一畑電車新型車両の車内イメージ図
新型車両はステンレス製の1両編成(座席定員55人)で、形状や性能は2016年に導入した7000系を基本に製造する。車内には、窓に沿って配置されたロングシートと、時間帯に応じて座席を進行方向と窓沿いに変えられるデュアルシートを配置。通勤・通学で混雑する朝夕の時間帯は全席ロングシートとし、観光客の利用が多い時間帯などは一部の座席を進行方向に向く配置に変えて運転する予定。 新型車両導入に合わせ、沿線自治体である島根県と松江、出雲両市は導入費として約4億1800万円を補助する。 一畑電車では今後、25年度に1両、26年度に2両の新型車両を導入する計画で、1990年代に京王電鉄(東京都)から譲渡を受け老朽化している車両を順次置き換えていく。