投資とポーカーの第一人者が語り合う両者の共通点と違い 「リスク管理が重要なのはどちらも同じ」だが「株の方がコントロールしやすい」理由
株とポーカーの共通点【2】リスクを取らなければ勝てない
エミン:株式投資もポーカーも、勝つためにはリスクを取らなければならない点も共通していますね。株式投資は資金を株に投じる必要がありますし、ポーカーもチップを賭けて参加します。勝ったときに利益を獲得するためには、勝つか負けるかわからない段階で手元の原資を失うリスクを取る必要があるわけです。 木原:ただ、利益を大きく伸ばして、損失は小さく抑えるというのは、現実には矛盾します。株もポーカーも、大きく儲けたいなら大きなリスクを取らなければならないし、リスクを小さくすれば勝ちも小さくなってしまう。リスクとリターンは常に背中合わせなので、ローリスク・ハイリターンは理論上、不可能なんです。それでも、そのバランスを上手に取りながら、少しでもそこに近づける人が本当にうまい人なんですよね。 エミン:そう、両立するのはすごく難しいんだけど、だからこそできたときにはすごく楽しいし、達成感がある。しかもこういうマインドワークで成功してお金を増やすことができると、人間は自分に自信を持つことができるんですよ。 大げさに聞こえるかもしれませんが、頭脳努力だけでお金を増やせたという経験は、自己肯定感を上げてくれるし、人生を充実させてくれます。本業にも良い影響があったという人も多いんですよ。
株とポーカーの共通点【3】リスク管理が重要である
エミン:リスクは必ず取らなければならない分、リスク管理が重要という点も共通しています。勝ちたいからといってやみくもに賭けていたら、どちらもあっという間に無一文になってしまいますからね。 木原:ポーカーではまず、テーブル選びでリスクを選択します。テーブルに座ってしまったら、その場では最大のリスクを取ってプレーするのが基本です。株式投資なら、ある銘柄に100万円投資してそれが80万円や50万円になることはあってもゼロになることはほぼありませんが、ポーカーではテーブルに置いたチップは常にゼロになる前提でプレーする必要があります。ポーカーではレートの高いテーブルにいるような強い対戦相手に対して、リスクを抑えた中途半端なプレーをしても勝てません。 スキルがある人なら、より高いレートのテーブルに座る方が時給が高くなりますが、そのようなテーブルでリスクを抑えて期待値を失うプレーをするのは本末転倒で逆にやられてしまいます。高いレートを打つなら対戦相手のレベルが上がるのでなおさらリスクを取らざるを得ないし、それが難しいならレートの低いテーブルでコツコツ稼ぐ方が良い。要するにリスクとリターンはトレードオフなので、リスクを抑えて大勝ちするなんてできないんです。 エミン:ポーカープレーヤーの場合、ひとつのセッションで賭けるのは軍資金(=バンクロール)の5%ぐらいが一般的ですよね。株のデイトレードやFXトレードをする場合も同様に、ひとつのトレードで資産の5%以上をリスクにさらさないというルールを徹底する人もいます。こうしたバンクロールマネジメントは、習得すればそれで勝てるというものではありませんが、あっという間にすべてを失って退場という事態を避けるために必要なスキルです。
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