スプリント形式馴染んできたMotoGP、改善の余地は予選にアリ? WSBK手本に忙しすぎる土曜日にメスか
MotoGPでは2023年から最高峰クラスでスプリントレースを行なう新フォーマットが導入された。このスタイルについて、KTMの元チームマネージャーは改善の余地があると指摘している。 レプソル・ホンダ、30年の歴史をフォトで振り返る|ギャラリー 2023年に新フォーマットが導入されると、最高峰クラスでは全てのグランプリで2日目の土曜日にスプリントレースが開催。従来の予選がグランプリ2日目の早い時間に行なわれ、その後のスプリントレースが2日目の目玉となった。 新フォーマットについては成功を収めているという見解が一般的ではあるが、予選への注目度が薄れ、またチームにとってはスケジュールがさらに厳しいものとなったと感じられてもいる。 そんな現在のMotoGPのフォーマットに対して、KTMの元チームマネージャーであるフランチェスコ・グイドッティは特に2日目に改善の余地があると考えている。彼はmotorsport.comの姉妹媒体であるMotorsport-Total.comにおけるインタビューで、スプリントレースの結果を決勝レースのグリッド位置に使用すべきだと語っているのだ。 なおそれ自体は全く新しいアイデアというわけではない。MotoGPと同じくドルナが運営するスーパーバイク世界選手権(WSBK)では、スプリントレース(Superpole Race)の結果がメインレース2のグリッド3列目までを決定するのに活用されているのだ。 そしてグイドッティは、スプリントレースの結果をそのまま決勝レースのスターティンググリッドに反映させることを提案している。 「もし何かを変えられるというなら、予選にするだろう。今のフォーマットだと、金曜午後にかなりハードにプッシュしなくてはならない。しかし、まだ金曜なんだ」 「土曜日の負荷が多すぎる。予選Q1とQ2は非常に疲れさせるものだが、2時間後にはスプリントレースがある。できるなら予選のフォーマットを変更したいね」 「私に任せてくれるなら、金曜日から土曜日朝のセッションまでを合わせた予選セッションをやるだろう。それによってスプリントレースのスターティンググリッドを決定する。その後は、スプリントレースの結果を決勝レースのグリッド決定に使うんだ」 予選とスターティンググリッドそのものは、コース上での追い抜きが難しくなってくるにつれて、以前よりも重要度が高くなってきている。しかし予選のすぐ後にスプリントレースが行なわれるため、注目度は以前ほどではないのが実情だ。 「今は予選が重要になってくるのは2時間だけだ。以前は金曜の午後から土曜の午後までそうだったんだがね」とグイドッティは言う。 「現在のフォーマットでは、メディアも予選よりスプリントレースに注目している。メディア的な観点からは、予選は無駄にリスクを負っていることになる」 またスプリントレースに対する別の批判では、ポイント圏内となるトップ9を争うライダー以外にとって、スプリントレースは全く重要ではないという点も懸念となっている。 「トップ9に入っていなければ、プッシュする必要はない。12位で終わろうが、15位で終わろうが問題ではないんだ。違いがないからね。それが決勝レースのスターティンググリッドの位置に関係するとなれば違うだろうが」 「そして(前述の案を取り入れた場合)ライダーがリスキーな動きをしなくなることがもうひとつの利点だろう。スタート位置が悪くなるしっぺ返しを食らう可能性を考える必要が出てくるからだ。そうしたフォーマットなら、週末全体がもう少しバランスの取れたものになるだろう」
Sebastian Fränzschky ,Gerald Dirnbeck