子供視点で下町ニュース発信 西淀川の製造業振興にひと役
子供視点で下町ニュース発信 西淀川の製造業振興にひと役 THEPAGE大阪
特別指令「下町のものづくりをアピールせよ」――。製造業が盛んな大阪市西淀川区で、子どもたちが「ものづくりレンジャー」に任命され、来年から区内の工場などに出動し、広報宣伝活動を通じて、製造業の振興にひと役買う。子どもたちの視点で、どんなニュースを発信できるか。レンジャー隊員たちに期待が集まる。
任命状を受け取りレンジャー隊員誕生
西淀川区役所で開かれた任命式にレンジャー隊員たちが結集。地元の製造業などで構成された「西淀川ものづくりまつり実行委員会」と区役所が、合同で小学生3年以上を対象に公募し、応募した31名が任命された。 隊員たちは西田淳一区長からひとりずつ任命状とバッジを受け取り、「がんばります」などと抱負を語った。兄や姉たちのりりしい姿を目前にし、同席していた弟や妹たちも、「すごい」とうれしそうにはしゃぐ。記念撮影に際しては、同実行委員会のメンバーらが事前に考案したレンジャーポーズを練習。恥ずかしがりながらもポーズを決めて、カメラにおさまっていた。西淀川区のものづくりにまつわるクイズにも挑戦した。
工場見学などでニュース素材をチェック
西淀川区は市内有数のものづくり力を誇る。地元の中小企業グループが、金属加工など、お得意の専門技術を持ち寄り、人間が搭乗して動かすガンダム型ロボットの共同開発に挑戦中だ。同実行委員会では毎年夏、西淀川ものづくりまつりを開き、地元の子どもたちにものづくりの大切さや楽しさを伝え続けてきた。 任命式で司会を務めた東亜成型常務取締役の浦竹重行さんも、同実行委員会のメンバー。ものづくりレンジャー誕生のヒントが生まれたのは、ものづくりまつりの会場だったという。浦竹さんは「我々の仲間同士で、『すぐれた技術がありながら宣伝がへたやなあ』と嘆いていたところ、子どもたちが『僕らにも分かるように宣伝したらええねん』と教えてくれた。そこで頭の柔らかい子どもたちの知恵を借りることになりました」と話す。
小4男児の隊員は、携帯電話などを分解して遊ぶのが好きという機械マニア。「これまでにないものを作りたい。タイムマシンとか」と、さりげなくも、とてつもない開発計画を披露してくれた。 来年1月16日、レンジャー隊員が第1回秘密会議を開催。工場見学や広報紙作成などをベースに、隊員たちの行動計画を討議して決定する。小さな広報兼開発担当者たちの奮闘が、下町ものづくりに新たな光を当てそうだ。詳しくは西淀川区役所の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)