「とうとう沖縄でも大災害が…」 全域で断水の沖縄・大宜味村 疲れ切る住民、トイレ用に雨水をためる人も
津波浄水場が床上浸水した影響で断水が続く沖縄県大宜味村。断水は村内約1700世帯のほぼ全域に及び、村によると復旧のめどは立っていない。 【動画】水没した車・濁流が流れ込んだ集落 沖縄北部を襲った豪雨の爪痕 同浄水場は9日の大雨で浸水し浄水機能が停止。同村津波や塩屋などで順次断水し、同日午後8時ごろにはほぼ全域で水道が使えなくなった。職員らが復旧作業を続けているが、悪天候の影響もあり思うように作業は進んでいないという。 村は9日の道の駅おおぎみに続き、10日は村農村環境改善センターに給水所を設け、午前8時から午後7時まで非常用飲料水を配布した。11日は午前9時から村役場で配布する。 同センターに3日分6リットルの飲料水をもらいに来たという70代女性は「とうとう沖縄でもこんな大きな災害が起きてしまった」と声を落とした。家にある飲料水も減ってきており「水をもらえるだけありがたい」と話し、車に乗り込んだ。 村ではこのほか、田嘉里川で氾濫の危険性が高まったことに伴い、喜如嘉などで一時最高度の警戒レベル5となる「緊急安全確保」が出され、同地区の家屋1軒が床上浸水するなど村内各所で水害が発生した。 村内に住む陶芸家の玉城若子さん(62)は10日未明、同村根路銘の協同組合の登り窯からの帰り道、国道331号で水が流れ込み運転していた車が浮いた。「慌てて警察に電話して、指示を聞きながら何とかドアを開けて外に出られた」とほっとした様子。だが、自宅に戻っても断水で水が出ない。「トイレの水のために、バケツを外において雨水をためている」と疲れ切った表情を浮かべた。 (北部報道部・前田高敬、社会部・吉田光、吉田伸)