35歳で念願の正社員になれました。「年収300万円」ですが、年金はいくら増えますか? 65歳まで働くつもりです
現在の生活を維持しながら、老後の生活を安定させるために将来もらえる年金額を増やしたいと考える人は多いのではないでしょうか。もはや「年金と退職金があれば悠々自適な老後生活が送れる時代ではない」といっても過言ではありませんが、年金は老後の貴重な収入源の1つであることは確かです。 特に、パートやアルバイト、派遣社員などの非正規雇用で働いていると、収入が不安定になりやすく将来不安が大きくなりやすいと考えられます。本記事では、いままで非正規雇用で働いてきた人が35歳で正社員になれた場合を想定し、65歳の定年まで働くと年金はいくら増えるのかを解説します。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの?
増やせるのは老齢厚生年金
老後にもらえる公的年金は大きく分けて老齢基礎年金と老齢厚生年金があり、老齢基礎年金は国民年金に加入して受給資格を満たせば基本的に全員もらえます。収入や働き方などに関わらず、2023年度の場合は満額で月額6万6250円です。 老齢厚生年金は、厚生年金に加入して収入に応じた保険料を納付する人が老齢基礎年金に上乗せして原則65歳から受け取れるものです。基礎年金の場合と異なり、年金額は一律ではなく加入期間や納付する保険料によって変化するのが大きな特徴です。正社員はもちろん、パートやアルバイトも一定の要件を満たすと厚生年金に加入する必要があります。
これから30年間働くと年金はいくら増える?
老齢厚生年金は、「厚生年金の加入期間」や「加入時の収入規模」などによってもらえる金額が計算されます。具体的には、報酬比例部分と経過的加算、加給年金額を合計したものが支給されますが、今回は話を分かりやすくするため、経過的加算や加給年金額は考慮せず、報酬比例部分のみで計算するものとします。 年金額の計算の基本となる報酬比例部分は、年金加入期間によって大きく2つの計算方法が存在します。 ●(2003年3月以前)平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数 ●(2003年4月以降)平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数 今回はこれから正社員として働く想定のため、後者の計算式のみ適用されます。平均標準報酬額は25万円で、便宜上今後も変わらないと仮定して計算すると、年間49万3290円を受給可能です。月額ベースでは約4万1107円もらえる計算です。