面倒な自治会の配布物や回覧物をDX…福井の企業がアプリ開発 アンケートや会合の出欠も
永和システムマネジメント(本社福井県福井市、平鍋健児社長)は、住民が自治体や自治会からの配布物、回覧情報を一元的に入手できるアプリ「タウン・デジボ」を開発した。紙の印刷物を配る手間を省き、自治会役員の負担軽減を狙う。福井市の3地区で実証実験をこのほど開始。全国の市町村との契約を目指し、売り込みを強化する。 同社は受託でのシステム開発が主体だが、情報通信技術(ICT)で社会課題の解決を目指す社内チーム「さきのこと」を2023年組織。メンバー9人が日頃のちょっとした困りごとの対応に取り組んでいる。メンバーの一人が自治会の班長を経験し、配布物の多さを実感したことからアプリ開発がスタートした。 行政や自治会関係者らに聞き取りを重ね、福井市と同規模の自治体が広報物を配布するのに必要な時間を試算したところ、1年間で少なくとも延べ1万4千時間との結果が出た。さきのこと担当の宮下和久常務は「配布物を仕分けして配るのはかなりの負担。全てデジタルにするのは不可能だが、何割かでも置き換えたい」と話す。 開発したアプリは、導入する自治体が同社と契約。自治体、地区、自治会それぞれの責任者のみが情報を発信できる。市政広報は市、地区の行事は自治会連合会や公民館、自治会単位のイベントは自治会長といった形で、アンケートや会合の出欠をとる機能もある。