訪日外国人「運転」と「免許」のヤバいトラブル続出! 事故レンタカー乗り捨て、ホテル住所を使った"外免切替"も!?
■中国人が押し寄せる府中運転免許試験場 前出の国沢氏が言う。 「先日、国際免許を取りに東京都府中市にある府中運転免許試験場に行きましたが、中国人が大挙して押しかけていました」 その話を聞いて10月中旬に現地へ足を運んでみたところ、確かに早朝にもかかわらず中国人の大行列が! 熱気ムンムンの彼らに話を聞くと、中国のSNSには《世界中で使える日本の免許が簡単に手に入るぞ!》というような声があふれており、観光がてら府中運転免許試験場に来たというのだ。 外免切替という制度は確かに合法なのだが......正直モヤモヤした。というのも、交通事故は最悪の場合、命を落とす可能性がある。今年8月に山梨県で中国籍の女(27歳)が、9月には埼玉県で中国籍の男(18歳)が死亡事故を起こしている。しかも男のほうは酒を飲み、時速100キロで逆走した挙句の惨劇だ。 事故を防ぐためには、当たり前のことだがドライバーが道路交通法を正しく理解する必要がある。そういう意味において外免切替に危うさを感じてしまった。 国沢氏もこう指摘する。 「外免切替が怖いのは、免許証の住所がホテルであること。仮に日本で交通違反を犯しても、帰国してしまえば逃げ切れる可能性が高い。ましてやジュネーブ条約に加盟していない国ならなおさらです。ちなみに、外免切替という制度は"政治マター"と聞いています」 それにしても、訪日外国人ドライバーの事故がここにきて増えたのはなぜか。前出の桃田氏はこう分析する。 「近年、訪日外国人のリピーターが増えており、以前はためらっていたレンタカー利用にトライする人も増えたはず。そうした人たちの発信する情報がSNSなどを通じて広がり、初来日でもレンタカーを利用する人が増えた可能性もあるでしょう。 また、動画や映画の影響も考えられます。日本ではスポーツカーや改造車(チューニングカー)の人気が高いというイメージがある。訪日外国人の中には、1990年代から2000年代前半の旧車に対する憧れが強い層も。 その手の人たちは現実の社会と、映画などの架空の世界の区別がなくなり、日本は交通における法規制がユルいのではないかと勘違いする人もいるのでは」 一方、訪日中国人ドライバーによる事故の増加に関して、国沢氏はこう指摘する。 「中国は監視社会で想像以上にカメラの数が多いため、うかつな運転はできません。訪日したことでタガが外れてしまう可能性もあるのでは」 インバウンド需要はますます拡大傾向。となると、ニッポンの公道では、訪日外国人ドライバーのカオス運転がしばらく続きそうだ。 取材・文・撮影/週プレ自動車班 写真/時事通信社 アフロ