三重・松阪市文化財になって20年 松阪しょんがいが記念冊子
歩みや活動、後世に伝える
松阪しょんがい音頭と踊り保存会(奥村義治会長、約100人)はこのほど、2003(平成15)年7月に三重県松阪市指定無形民俗文化財の指定を受けてから20年の節目を記念した冊子(A4サイズ、14ページ、オールカラー、千部)を発行した。これまでの歩みと主な活動を写真と文書で紹介。関係者は資料として後世に残していきたいとしている。 しょんがい音頭としょんがい踊りは、松阪地方の郷土民謡として最も古いとされる。1588(天正16)年に松坂城を築いた蒲生氏郷が、築城に携わった大勢の職人や農民らをねぎらうために城内で酒宴を開いた際、一人の男が踊ったことが始まりとされる。「しょんがい」の語源は「しょうがない」がなまったと伝わる。 同保存会は「魅(み)せる踊り、聞かせる音頭、楽しむしょんがい」をモットーに13拍子の踊りを音頭と太鼓の演奏に合わせて披露。音頭は時代物、世話物、郷土の歴史、偉人などをテーマに歌う。歌詞は方言が多く、村人の言葉でつづられている。長く歌い継がれているものから新しく創作されるものもある。 今回の冊子は原田積善会などから助成金を受けて制作。巻頭は「同保存会の50年と文化財指定20周年の軌跡」と題し、1970(昭和45)年に前身となる「松阪しょんがい かわさき音頭保存会」の設立から2002(平成14)年の同保存会への名称変更、毎年の活動の様子を写真と文書で記録。巻末には踊り方の解説も付いている。 坂上道子事務局長(83)=中央町=は「無形文化財の指定を受けて20年。10年刻みで記念冊子を作っており2冊目ですが、〝無形〟なので心に残っても資料として残らないので、写真と記録は残しておく必要があると思い作成しました。興味を持って保存会に入ってくれる人も募集しています」と話した。 冊子を希望する人は同保存会TEL0598(52)6008まで。