「新垣結衣は私たち原作ファンの思う彼女そのもの」宇垣美里が人気マンガ実写化で泣き出しそうになった理由
人気漫画の実写化。原作ファンも納得の世界観
人気漫画の実写化である本作。他者との暮らしの中で互いに少しずつ影響を受け、2人だけの関係が生まれていく様子を丁寧に追いかけていて、全てのシーンから染みだすしんみりとした優しさと共に、原作ファンも納得の世界観となっている。 もちろん、あのセリフも、あのシーンも見たかった!とは思ってはしまうけれど、それは新垣結衣演じる槙生の不器用さや、早瀬憩演じる朝の子犬のようなかわいらしさが私たちファンの思う槙生と朝そのものだからこそ。 特に冒頭、槙生が朝にかける真摯な言葉とその力強い眼差しに、思わず心が震え泣き出しそうになった。その瞬間から、この人が槙生ちゃんなんだ、と確信した。
分からなくたって、あなたは私の大切な人
「あなたの感情も、私の感情も、自分だけのものだから。分かち合うことはできない。」というセリフに代表されるように、この作品に通底するメッセージは、人は、他人は、どうしようもなくまるで違うということだ。 まるで違う相手を気遣いながら、理解できなくてもそのままに見つめて尊重し、自分だけの孤独を抱えてそっと寄り添い生きていく。その営みを愛と言わずして何と呼ぼう。 分からなくたって、あなたは私の大切な人。そんな関係にじんわりと心が癒された。 『違国日記』 監督・脚本・編集:瀬田なつき 原作:ヤマシタトモコ 音楽:高木正勝 出演:新垣結衣、早瀬憩、夏帆、瀬戸康史 配給:東京テアトル ショウゲート/139分 ©2024 ヤマシタトモコ・祥伝社/「違国日記」製作委員会 <文/宇垣美里> 【宇垣美里】 ’91年、兵庫県生まれ。同志社大学を卒業後、’14年にTBSに入社しアナウンサーとして活躍。’19年3月に退社した後はオスカープロモーションに所属し、テレビやCM出演のほか、執筆業も行うなど幅広く活躍している。
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