櫻井翔“清家”はAIのように完璧すぎて不自然…その不気味な快演ぶりに視聴者も「本心が読めない」と騒然<笑うマトリョーシカ>
水川あさみが主演を務める金曜ドラマ「笑うマトリョーシカ」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)の第1話が6月28日に放送された。同ドラマは、日本推理作家協会賞や山本周五郎賞など数々の受賞歴を持つ早見和真が2021年に発表した同名小説が原作。抜群の人気を誇る若き政治家と有能な秘書の“得体の知れない不気味さ”に気付いた新聞記者が、彼らを取り巻く黒い闇に迫るヒューマン政治サスペンス。第1話、文芸部の記者・道上香苗(水川)の父親・兼高(※兼高の高は正しくは「はしご高」)(渡辺いっけい)が放送開始すぐに亡くなるという衝撃のスタートを切った。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】43歳の若さで新内閣に入閣した清家一郎(櫻井翔) ■人間の欲望と謎が絡み合うヒューマン政治サスペンス 印象的な笑顔とリベラルな言動で人気を集め、未来の総理候補との呼び声も高い若き政治家・清家一郎(櫻井翔)と、そんな彼を支える有能な秘書・鈴木俊哉(玉山鉄二)は、どちらも非の打ち所がなく完璧に見える。「でも、この2人…何かがおかしい」。そんな2人の奇妙な関係を暴こうと、新聞記者である道上(水川)は、彼らの隠された過去を探っていく。 また、道上の社会部時代の先輩記者・山中尊志を丸山智己、道上の後輩記者・青山直樹を曽田陵介、道上の元夫・旗手健太郎を和田正人が演じる他、謎の女役として高岡早紀が出演。 さらに、清家と鈴木の福音学園時代の同級生・佐々木光一を渡辺大、大手新聞社社会部の敏腕記者だった経歴を持つ道上の父・兼高を渡辺いっけい、清家の実父で、官房長官を務めた経験もある有力代議士・和田島芳孝を加藤雅也、明るく前向きで肝がすわっている道上の母・香織を筒井真理子が演じるなど、個性豊かな面々がストーリーを盛り上げる。 ■新たに発足された内閣に初入閣した若手議員の自叙伝の内容に違和感 第1話では、2022年4月、新たに発足された内閣に厚生労働大臣として若手議員の清家が初入閣を果たした。リベラルな言動が国民の支持を集め、未来の総理大臣候補とされている43歳の清家の存在は、若返りを図る新内閣の目玉として注目されることとなった。 同じ頃、東都新聞文芸部の道上は、刊行された清家の自叙伝「悲願」の紹介記事作成のために取材で愛媛・松山にある清家の母校を訪れていた。担任の口から語られたのは、現在の頼もしいイメージとは違う清家の姿。そして自叙伝には登場していないブレーン的存在の鈴木が近くにいて、彼が清家を生徒会長にし、政治家となった今も秘書として側にいることが明かされた。 今も秘書として側にいる重要人物が自叙伝に登場しないことに違和感を覚えた道上は、清家だけでなく、鈴木がどんな人物なのか気になり始め、調べてみようと動き始める。 ■父・兼高が追っている事件と道上自身が調べている事に関連性が生じた そんなときに、父・兼高から道上に電話が掛かってきた。兼高はかつて社会部の敏腕記者でしばらく会っていなかったが「調べていることがある」と言い、道上に相談を持ちかけたその瞬間、大型トラックが兼高の車に激突し、瞬時に絶命してしまった。 兼高が調べていたのは、政治家の贈収賄が疑われていた「BG株事件」。ずっと追っていた事件を兼高は根気よく調査し続け、調べた内容をたくさんのノートに記していた。道上は、そのノートに賄賂を受け取った疑いのある政治家の名前が書かれているのを見つけ、BG株事件で自殺したBG社の社長の息子が鈴木だということを知った。さらに、兼高が亡くなった日に、鈴木と会う約束をしていたことも分かった。 ■清家は、策士・鈴木が操る人形のような存在なのか 政治家を憎んでいるはずの鈴木が、政治家となった清家の秘書を務めている。道上はそこにも違和感を覚え、自叙伝の著者取材に便乗して、清家と秘書・鈴木に会うことに成功した。 直接会って感じた道上の清家に対する印象は「まるでAIと話しているみたい。(受け答えが)完璧すぎて不自然」だった。しかし、鈴木がBG社の息子だと告げると「AIがバグったのか、一瞬、鈴木に助けを求めたような気がした」とも語っている。 鈴木に対する印象は「策士」。回想で、眠っている清家を前に「こいつを利用して親父の仇を取ってやるよ」と息巻くシーンがあったが、それが本音だろう。その気持ちを抑えて、普段は秘書の仮面を付け、政治家・清家を思い通りに操るという魂胆だ。 ■送られてきた論文は、清家が道上に出したSOS 取材後、道上に清家から直接連絡があり、料亭で落ち合うことに。秘書・鈴木がいる時とは別人のように、口数が多い清家。話をしていると鈴木のような策士ではないが、人形のように中身が空っぽというわけでもなさそうに思えてくる。 「これからも僕をみていてください」という意味深な言葉を道上に伝え、翌日、道上に密着取材の許可を与えた。 道上に郵便物が届けられたが、その中身は「ナチズムにおける権力の二重構造について エリック・ヤン・ハヌッセンに関する考察」と題した清家の大学の時の論文だった。ヒトラーと、そのブレーンだったハヌッセンの関係性が、清家と鈴木の関係性に似ていると感じた道上は、この送り主は清家で、自分にSOSを出しているのではないかと推察した。 清家、鈴木ともに謎が多い人物。道上は2人の謎、そして秘密を暴くことができるのか。第1話から混沌とした展開になり、SNSでは「きっと裏の顔がある。何を考えてるのか分からない演技がすごい」「表情から本心が読めない」など、櫻井翔の怪演ぶりが放送直後から大きな話題になっている。そして週末からTVer総合1位をキープしている。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部