左腕故障の早田ひな、パリ五輪以来3カ月ぶり復帰 初戦敗退も地元凱旋に感慨「幸せな時間だった」今後の試合は白紙「4年後本物に」
「卓球・WTTファイナル」(20日、北九州市立総合体育館) 女子シングルス1回戦が行われ、パリ五輪銅メダルで世界ランク5位の早田ひな(24)=日本生命=は、同17位のベルナデッテ・ソクス(ルーマニア)と対戦し、1-3で敗れた。早田はパリ五輪大会中に左手首付近を痛めた影響で実戦から離れていたが、出身地の北九州市で約3カ月ぶりに復帰。左腕には目立たないベージュのテーピングを巻いてコートに立ったが、ブランクからか精彩を欠き、凱旋(がいせん)勝利を挙げることはできなかった。 【写真】パリ五輪で痛めた左腕にはまだテーピングが 万全ではないのは明らかで、強打はなかなか打てずミスも目立ったが、ラリーから得点を重ねて1ゲームを奪うなど意地を見せた。試合後は目を潤ませながら「私の中では、練習してきたことは全部出せた。1ゲームを取れて、(自己採点は)120%くらいできた」と笑顔で取材に対応。敗れはしたものの、地元の温かい声援を背に受けてコートにカムバックし、「いつも以上に大きな拍手をいただき、負けているときも応援をいただいて、声を掛けてもらって、すごく幸せな時間だった」と感慨を込めた。 早田はパリ大会中に利き腕の左腕を痛め、満身創痍(そうい)の状態ながらシングルスで銅メダル、団体戦で銀メダルを獲得。大会後、手術ではなく保存療法を選択したと明かしていた。10月のアジア選手権で復帰を目指していたが、現地での調整中に故障が再発。ただ、地元で行われる世界トップ選手の頂上決戦には出場に強い思いがあったといい、10月下旬から練習を再開し、実戦復帰にこぎ着けた。 「試合が終わった後にぶり返していないか(を確認すること)が1つの目的だった」と左腕をさすり、今後の試合予定については「(試合の後に)もしかしたら状態が悪いかもしれないし、早く復帰できるかもしれない。医師と相談して決めていく」と白紙を強調。「パリ五輪の自分から生まれ変わって、また新たな自分として一つ一つ戦っていきたい。4年後に本物になれるように自分と向き合いたい」と語った。