旧車のCピラーに付けられたバッジやエンブレム、実はただの〝飾り〟じゃなかった件
「日産スカイライン(ケンメリ)」のピラーをチェック
ピラーに装着されたパーツのもうひとつの用途は給油口です。 この用途は1972年に発売された「日産スカイライン」独自のもののようです。 通称「ケンメリ」こと4代目スカイラインは、ワゴンとバンを除くすべてのグレードで、左側のCピラーの丸いバッジが給油口になっています。 表をいくら見回しても給油口のフタが見つからないので、初めて給油するときは戸惑うこと必至でしょう。 左側のバッジの中央には鍵穴があり、それを開けると中から給油口が現れます。 この頃のスカイラインは、先代のハコスカのときからリヤのタイヤハウスの間に横長のガソリンタンクが装着されているために、左リヤフェンダーの上付近に給油口があるのがパターンでした。 ケンメリではショルダーのラインをキレイに見せるため、少しコストをかけて給油口をピラーのバッジに隠してシンプルかつお洒落にまとめているんです。 ちなみにケンメリの右側ピラーのバッジはエアベントになっています。
当時のデザイナーのセンスを垣間見ることができる、個性的なデザインに注目
ここでは日産の2つの車種の例を紹介しましたが、他にもこの年代の旧車にはメーカーを問わずCピラーにエアベントのためのパーツが装着された車種が多く存在します。 上の例のように分かりやすい例もあれば、ウインドウの延長のようなデザイン処理で馴染むように装着されているものもあったりして、当時のデザイナーや設計者の工夫が見て取れます。 旧車イベントやオフ会などで見かける機会があれば、注目してみてください。
────────── ●文:往機人(月刊自家用車編集部) ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
月刊自家用車編集部