<プロ野球速報>金本阪神の新戦力が躍動して初白星!
阪神対中日の2回戦が26日、京セラドームで行われ、金本監督が率いる阪神が7-3のスコアで待望の今季初白星を飾った。ルーキーの高山俊(22)が、先制タイムリーツーベース、横田慎太郎(21)が作ったチャンスに、主砲ゴメス(31)の3ランが飛び出すなど、大量7点を奪って圧勝した。金本監督が抜擢した若い力と新戦力が融合した“金本劇場”でもぎとった監督就任初勝利だった。
それはルーキーの一撃から始まった。 3回、先頭の8番打者、岡崎太一(32)が四球を選び出塁すると、能見篤史(36)にはバントのサイン。2球続けてバントがファウルになってカウント1-2と追い込まれたが、この日の金本采配は、それでもバントのサイン。結局、スリーバント失敗で一死一塁のままとなったが、失敗が失敗で終わらないのが金本阪神の嫌らしさである。 ルーキー高山のやや詰まったように思えた打球が右中間へ。三塁コーチャーズボックスの高代コーチは、躊躇せずに腕を回して、岡崎がホームイン。ルーキーのプロ入り初打点で先手をとる。2番の横田は倒れたが、新外国人のヘイズが中日先発、山井大介(37)の甘いカーブをとらえて、今度は左中間を真っ二つ。ヘイグの2打席連続のツーベースで高山が2点目のホームを踏む。 「昨日の3、4打席では甘いボールを打ち損じてしまって悔しい思いをした。その反省を生かすことができたと思います」とは、ヘイグの試合中に回ってきた広報談話。 昨年までの和田阪神には、スタメンにいなかった新戦力が躍動した。 5回一死からは横田が、泥臭い、らしいプロ初安打。ショートの少し左に寄った平凡なゴロを、快足で内野安打に変えたのだ。ヘイグが死球で歩き、二死となった後、5番起用のゴメスが変化球をしっかりとためて芯で捉えた。中日のレフトは一歩も動かない。レフトの三階席へ飛び込む特大の3ラン。オープン戦でチームホームランゼロに終わったピストル打線が心配されていたが、本番で頼れる主砲が目覚めた。 “金本劇場”は、まだ終わらない。最強の6番、鳥谷敬(34)が一、二塁間を破るヒットで出塁すると、西岡剛(31)が、エンドランを決め、二死一、三塁とチャンスを広げたのだ。ここで、“11年間埋もれていたキャッチャー”岡崎が、三遊間にタイムリー。ベンチで金本監督が岡崎にサムアップポーズで祝福した。 指揮官とナインとの絆をあらわすような美しいシーンだった。 6回にも、高山、横田の連打で作った無死一、三塁のチャンスにヘイグが左犠飛。ビシエドの2戦連発となるアーチや守備の乱れもあって2点を失っていたが、また新顔3人で1点を追加した。 データを重んじる谷繁監督からすれば、オープン戦だけで実戦のデータがほぼ皆無の高山、横田、ヘイグ、岡崎と4人も新戦力を並べられた阪神の打線攻略は、雲をつかむようなものだったのかもしれない。対して金本監督は、“超革命”の新戦力を存分に活用した。 先発の能見は2点を失ったが、7回から左の高宮和也(34)、8回からは福原忍(39)とリードを守ってリレー、最後は、オ・スンファンに代わる守護神として期待されるマテオ(31)が、最速155キロをマークしたストレートとスライダーを軸に3人で締めてゲームセット。金本監督に開幕2戦目にして初勝利のウイニングボールを贈った。