成田空港とJR貨物、関西発輸出貨物の鉄道共同輸送サービス実証実験
成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)は、JR貨物(日本貨物鉄道)と同社グループの日本フレートライナー(日本FL)の2社とともに成田空港モーダルシフト推進協議会を立ち上げた。成田空港から輸出される関西圏の貨物を運ぶ鉄道共同輸送サービス「RAIL to NARITA LCLサービス」の実証実験を8月から2025年2月までの予定で実施する。 関西で生産された製品を成田から輸出する場合、国内輸送の大半をトラックが担っており、長距離トラックドライバーの確保やCO2(二酸化炭素)排出量の削減が課題となっている。一方、鉄道による貨物輸送は一度に大量輸送が可能で、CO2排出量も少ないが、コンテナ単位で契約しなければ利用できず、重量が軽く、高価値製品が多い航空貨物では利用が難しかった。 今回の実証実験では、NAAが航空貨物のフォワーダー(貨物代理店)が利用を働きかけ、JR貨物と日本FLが企画販売と輸送サービスを提供。協議会として、1パレット単位で申し込める小ロットの鉄道共同輸送サービスを検証する。LCLは、1つのコンテナに複数の荷主の貨物を混載する輸送形態で「合積み」とも呼ばれる。 対象貨物は、関西圏から成田空港周辺のフォワーダー施設(保税蔵置場)に輸送され、成田空港から輸出される航空貨物で、対象事業者はこれらの輸送手配を行うフォワーダーとなる。補助金を活用したトライアル利用料金は、1パレットあたり内国貨物が5000円(税抜)、外国貨物は非課税で5000円となる。
Tadayuki YOSHIKAWA