しょうぶ学園、障がい者らの音パフォーマンス集団「otto&orabu」の名古屋ライブを映画化
「しょうぶ学園」とは、鹿児島県にある知的障がい者支援施設だ。障がい者のサポートをするなかで、利用者たちの表現や個性を大切にしたアートやクラフト作品を生み出し、国内外から広く注目を集めている。名古屋の地で、しょうぶ学園の利用者を中心に構成される民族楽器のアンサンブルパフォーマンスバンド「otto&orabu」のライブイベントが開催されたのは昨年6月のこと。話題と感動を呼んだ公演から半年を経て、イベント制作にあたった愛知のNPO法人I have a dreamによる映像作品『so:but〔and〕=1.2.3.4―あらかじめ,情動の.』が完成した。10月18日(土)名古屋テレビ塔など、数か所での上映会を開催する。 鹿児島県の障がい者支援センター「社会福祉法人太陽会しょうぶ学園」。利用者たち自身がもっているもの、作り出すものをいかし、工房、作家による作品、クラフトワーク、“縫いプロジェクト”、“音プロジェクト”などを展開。いずれも、彼らの日常の行為から生まれてくる思いがけない表現や心の動き、行動のすべてを「個性」として大事にサポートした結果、生まれてくる彼ら「らしさ」が光るものばかりだ。 なかでも利用者と職員たちから構成され“音パフォーマンス集団”とよばれる「otto&orabu」のサウンドは、不揃いではあるが、パワフルなエネルギーに満ちた心躍らせる音楽として、一部で熱狂的な支持を得ている。最近ではアパレルブランド“niko and…”のテレビCM(アートディレクター:森本千絵)で彼らの楽曲「ポンピドゥ~道化師の唄」が使われて話題を呼んだ。 昨年6月、名古屋市東区の「ウィル愛知」で開催された「音パフォーマンス otto&orabu fromしょうぶ学園」。イベント制作にあたったNPO法人I have a dreamが、記録用にライブの様子を映像に残していく中で、パフォーマーらの生み出す表現に感銘を受け、映画製作を決意。同NPO法人の代表・イワタトシ子氏がプロデューサーとなり、同じくメンバーで映像作家の柵木志氏の手により、作品として仕上げた。 「イノセントであることは、選ばれた人だけが持ちえるかけがえのない素質なのかもしれません。彼らの生み出す音やパフォーマンスにふれると、自分が生まれ持った感受性を、自分で鈍らせてしまっているのでは、と思わされます。」と、プロデューサーのイワタトシ子さん。 「otto&orabu」のライブパフォーマンスにインスピレーションを受け、柵木監督が自らの“美と純粋さに対する意識の変容”について描いたという本作。そのテーマの意味するものを、自分の目と耳と心で、確かめに出かけてみてはいかがだろう。 <上映スケジュール> 2014年10月18日(土) SOCIAL TOWER MARKET @名古屋TV塔3F(奥のお部屋) 開場14:30 開演15:00 前売・当日1300円 ◆予約、チケット販売は shop22:052-932-2092 info@a-22.biz まで 限定80名 2014年11月8日(土) T.A.G.IZUTO(名古屋芸術大学アートデザインセンター) 【対談】福森伸(しょうぶ学園施設長)×イワタトシ子(NPO I have a dream代表) 0568-24-0325 2014年11月11日(火)、14日(金)、18日(火) 名古屋芸術大学 西キャンパス(「SHOBU STYLE ~工房しょうぶの仕事~」展) 0568-24-0325 以降の上映情報についてはHPにて。 (エディマート大塚亜依)