野犬管理法に反対する愛好家 イスタンブールで抗議集会
イスタンブール、トルコ、9月2日 (AP) ― トルコ国会で野犬管理を厳格化する法案が可決したが、新法が野犬の殺処分に繋がるとして9月1日、数千人の動物愛好家がイスタンブールで抗議集会を開いた。 7月30日、トルコ国会は安全上の懸念を理由に、国内の路上から野犬の排除を目的とした法案を可決した。 動物愛好家らは、新法が広範囲に及ぶ野犬の殺処分や、病気が蔓延するような過密なシェルターに収容されることに繋がりかねないと危惧している。 新法に反対する動物愛好家らは、イスタンブールで抗議集会を開き、法律の撤廃を訴えた。 エルドアン大統領は、同国の「野犬問題」対策に新法は必要だという立場をとっている。 政府の推定では、400万匹の野犬が、都市部の道路や農村部を徘徊しているという。そのほとんどは無害だが、子どもなどが襲われたことはある。 すべての野犬を路上から排除する運動を行っている団体が発表した報告書によると、2022年以降、65人が野犬に襲撃されて死亡している。 市町村は野良犬を集め、保護施設に収容し、ワクチン接種、去勢、避妊手術をしてから里親に出すことを新法は義務づけている。 ケガをしている犬、末期的な病気にかかっている犬、人間に健康上のリスクをもたらす犬は安楽死させられる。 しかし、財政難にあえぐ自治体が、必要なシェルターを増設するための資金をどこから捻出するのか、疑問視する声が多い 動物愛護活動家らは、自治体によっては犬を保護するために原資を割くのではなく、病気であるという口実で犬を殺してしまうのではないかと懸念している。 (日本語翻訳・編集 アフロ)