偉大な経営者が絶対にしない「5つの行動」
故スティーブ・ジョブズはかつてこう言った。「仕事は人生の大部分を占めるものであり、真に満足する唯一の方法は、自分が素晴らしいと信じる仕事をすることだ」。組織の「素晴らしい仕事 」は、しばしば管理職のリーダーシップと従業員の生産性の効果によって測られる。しかし、より下層のリーダーシップや生産性は、最高経営責任者(CEO)や最高執行責任者(COO)など「C」から始まる経営陣の行動や意思決定によって左右される。 では、経営者にとって「素晴らしい仕事」とはどのようなものだろうか? 経営者の決断は、従業員に対する管理職の指導方針に影響し、ひいては従業員のエンゲージメントや生産性、そして会社の収益にも影響を及ぼす。CEOというのは明らかに、どの組織においても最も過酷な役職の1つである。彼らが下す決断、培う文化、推進するビジョンはすべて、会社の将来を形づくるものなのだ。 従業員の組織への共感度を測定することで企業の生産性を予測するホーガン・アセスメンツの最高科学責任者、ライン・シャーマン博士に話を聞いた。博士によると、ホーガンのリーダーシップとパーソナリティに関する広範な研究で、偉大な経営者にはさまざまなタイプがいる一方、彼らが避けている行動に着目すると、そこには一貫性があることがわかったという。 偉大な経営者が絶対にしない5つの行動とは何かと尋ねたところ、次のような答えが返ってきた。 ■1. 細部にこだわる シャーマン博士は、偉大な経営者は細部の重要性を理解しており、品質と正確さのためには細部へのこだわりが不可欠だと認識していると語った。しかしその一方で、偉大な経営者はマイクロマネジメントが創造性を阻害し、進歩を遅らせることも理解していると付け加えた。 博士によれば、偉大なCEOは細部にこだわるのではなく、チームを信頼して細部を任せ、全体像に集中できるようにしている。また、より戦略的な管理・監督を優先し、組織が長期的な目標に沿った状態に保たれるよう注力している。 ■2. 悪い決断に固執する シャーマン博士は、「経験豊富な経営者であっても、決して過ちを犯さないような人などいない」と認めている。 「偉大な経営者の特徴は、ある決断が望ましい結果をもたらさないことを認識する能力だ。間違った選択に頑固に固執するのではなく、間違っていたと認める謙虚さと、軌道修正する勇気を持っている」。こうした柔軟性と失敗から学ぼうとする姿勢は、効果的なリーダーシップの重要な特徴であり、経営者が必要に応じて戦略を調整し、組織が正しい道を歩めるようにすることだと博士は説明する。 ■3. 誠実さの面で妥協する 誠実さは信頼を築く土台であり、その信頼こそが、強靭でやる気に満ちあふれたチームを作るために不可欠であることを偉大な経営者は知っている、とシャーマン博士は指摘している。偉大な経営者は決して倫理面で妥協したり、二枚舌を使ったりしないというのだ。むしろ、彼らは従業員を尊重し、約束を守る。 CEOが約束に忠実であることにより、忠誠心と献身を大切にする企業文化が育まれ、それが長期的な成功の原動力となる。偉大な経営者は、持続可能な成果は誠実さと信頼という強固な土台の上に築かれることを理解していると、博士は付け加えた。