【セントライト記念】得意の中山でコスモキュランダがダービーの悔しさを晴らす!
セントライト記念 コスモキュランダ 伊藤祥徳調教助手 ――前走のダービーは6着でした。改めてレース内容を振り返ってください。 伊藤助手(以下、伊):勝ち馬が強かったことはありますが、僕たちも何としても勝ちたいタイトルだったので6着という結果は悔しかったです。ただ、この子が持っている高い能力を示すことはできたかと思います。 更に上の着順にきてもおかしくない可能性を感じさせる走りを見せてくれましたし、日本一を懸けた最高の舞台で戦った経験は、間違いなく今後のキャリアに生きてくると思います。 ――春シーズンは弥生賞で勝利を収め、皐月賞、日本ダービーとクラシックの王道を歩みました。その過程の中で、収穫と感じたところと今後の課題と感じたところがあれば教えてください。 伊:収穫としては、競馬を経験するごとにそれを糧として成長してくれたところですね。競馬そのものだけでなく、競馬に向かう過程の放牧であったり帰厩のための輸送、トレセンでの追い切りなど様々な経験を自分の力にしていくことができるので、ひとつの競馬を使う流れでで経験したこと全てが次に繋がります。 それでもまだ遊んで走っていますし、相変わらずヤンチャな面も残っているので、精神面で大人になってくれればというのが今後の課題ですね。 これまでも素晴らしい成績を残していますが、この子はまだ隠された能力を秘めている感じがあります。精神面が成長してくれば、もっと能力を引き出すことができるのではないかと思っています。 ――この中間の過ごし方を教えてください。 伊:前走後は放牧に出して、夏場は無理せず牧場でしっかりケアをしてもらいました。緩さがあるタイプなので時間をかけて調整させてもらいたいということで、少し早めに厩舎へ戻してもらいました。良い状態で帰ってきましたし、帰厩後もゆっくり時間をかけて予定通り良い準備ができています。 ――9/4(水)に行われた1週前追い切りの狙いと動きの評価をお願いします。 伊:前に馬を置いて、それを追いかける形でしっかり負荷をかけようという狙いでした。コスモキュランダは能力が高いので、併せ馬の相手には、クリスマスパレードやコラソンビートといった力のある馬たちと併せ馬をしたことでひとつレベルが上がった感のあるソニックロプロスを選びました。 「来週競馬だよ」と教える意味で小林勝太騎手を乗せて終い重点でやりましたが、前を行くソニックロプロスをしっかり追いかけていましたし、ラップも全体時計も狙い通りでした。良い負荷をかけられたので、あとはしっかりケアをしてあげてレース当該週を万全の形で迎えられるように準備していきます。 ――休養期間を挟んで馬の変化を感じるところは。 伊:軽さが出てきましたね。以前は一生懸命走ることをしないので坂路調教でもスピードに乗るまで時間がかかっていましたが、今回の帰厩後の坂路調教では、こちらの合図に対して反応が良くなってスピードに乗るのが早くなりましたし、フットワークにも軽さが出てきました。 ――中山2000では弥生賞勝ちを含めて好成績を残しています。今回1ハロン延長となりますが、中山芝2200という舞台適性への見通しは。 伊:もちろんこれまでの実績から、適性が高いことは分かっています。距離が延びても良いタイプなので、1ハロン延長は好材料ですね。秋初戦をこの適性の高い舞台で迎えられるのは大歓迎ですし、ここで良いパフォーマンスを出せるレベルにまで持っていくことが僕たちのやるべきことだと思っています。 ――レースへ向けて意気込みをお願いします。 伊:ダービーでのパフォーマンスをはじめ、春シーズンの走りでファンの方々にもこの子の能力の高さをアピールできたと思っています。 これから秋競馬が本格的に始まってファンにとっても面白いレースが続きますし、そのなかで次のタイトルに向けてコスモキュランダが実力を発揮して良い結果を出せるような競馬を皆さんに見てもらえれば、と思っています。
競馬ラボ