【ヴィクトリアM】ゴーカイの父義行さんにあこがれ…21歳横山琉人が人馬の絆でG1初舞台
今週は12日に東京でヴィクトリアマイル(G1、芝1600メートル)が行われる。関東の穴馬フィールシンパシー(牝5、小島)に騎乗する横山琉人騎手(21=相沢)は、デビュー4年目でG1初挑戦となる。 2歳11月のデビュー戦から足かけ4年、19戦のうち17戦で手綱を取った。つまりルーキーの頃から共に成長して、ついに馬も人もついに頂点の舞台にたどり着いたのだ。乗り替わりが常の昨今、若手が何年も同じ馬とコンビを組み続ける例は珍しい。 「乗せ続けていただいて感謝しかありません。G1は特別。歓声がすごいので、乗っている方はどんな気持ちなんだろうと思っていました。緊張よりも楽しみの方が大きいですね」と頼もしい。 重賞はターコイズS(G3)で8番人気2着、福島牝馬S(G3)でやはり8番人気2着と、人気薄で首位争いに絡んだ。特に前走福島牝馬Sは好スタートを決めて2番手から抜け出し、ゴール前でコスタボニータに首だけ差される惜しい競馬。力は引き出した。 「前走はうまく乗れました。全能力を出し切っての2着で、勝った馬が強かったです。今回の1600メートルが一番合っていると思うし、広いコースの方がのびのび走れる」。東京マイルは5走前の紅葉S(3勝クラス)を1分31秒9の好時計で勝っている。 父は名障害ジョッキーとして知られた横山義行元騎手。物心つく頃から父のレースを見てきて、デビューした時は「勝ちたいレースは中山大障害」と公言し、今でもその気持ちは変わらないという。「競馬の話はしますが、乗り方で何かを言われたことはないですね。ありがたいです」と温かく見守ってくれる父にも感謝する。 フィールシンパシーとは、心を寄せるという意味。人気はナミュールやマスクトディーヴァ、ウンブライルなどG1実績のある馬に集まるが、人馬の絆はどの馬よりも強い。【岡山俊明】 ▽小島茂之師 厩舎の調教を手伝ってくれていて、相性もいい(小島厩舎で15勝。2位が相沢厩舎14勝)。前走の2着も考えて乗ってくれた。馬主さん(岡田牧雄オーナー)にせっかくいただいたチャンスなので、納得してもらえる騎乗をしてほしい。 ◆横山琉人(よこやま・りゅうと)2003年(平15)1月8日、茨城県生まれ。美浦・相沢厩舎所属。21年3月デビュー、同年4月10日にノアファンタジーで初勝利。22年にキャリアハイの34勝をマーク。通算1385戦69勝。17年に引退した横山義行元騎手(障害重賞11勝、うちG1・3勝=00、01年中山グランドジャンプ・ゴーカイ、07年中山大障害・メルシーエイタイム)の次男。