大阪市の橋下市長退任記者会見【全文1】
慰安婦発言問題について
それから、サンフランシスコ市長宛の公開書簡送付についてもそうなんですけど、これもいろいろ僕の府政、市政について検証してもらってるところはありがたいんですが、慰安婦発言についても、まあまだ毎日新聞も読売もそうだな。とにかくこの発言で全て維新から失速したとかそういうこと言ってますけど、はっきり言いますけどあの発言があったから、朝日新聞があの報道取り消しやったんですからね。誰もそこまで本気になって問題提起をしたりとか、何が問題点なのかっていうことを言わずに、ちょろちょろちょろちょろ、いろんなところでちっちゃくしていたやつを、ああいう形で問題提起して河野談話ってものを問題じゃないかと言い出して、産経新聞はその直後、ちょっと腰が引けたところがありましたけど、そのあと産経新聞が、本当に頑張ってくれて、最後、朝日新聞の吉田調書の取り消しに至ったということになります。 それで僕が何を話しているかというと、いや実際あの発言、ああいうふうに書いてもらっていいんですけども、河野談話の話なんか何も書いてないしね。そして何問題なのかというと、こういうこともぜひね、日本国民の皆さんに知ってもらいたいのは今回、サンフランシスコ市、大阪市との姉妹都市ですけど、そこの教育委員会のほうがこんな決議をやっています。女性の人権の問題っていう、そういうものを子供たちに学ばせるのに当たって日本の慰安婦だけを取り上げて、日本の慰安婦問題だけを取り上げて、それを教材にしてこれからサンフランシスコ市は教育をやっていくというんです。本当にこんなことでいいんですか、ってことですよ。 だから僕は慰安婦問題、正当化はしませんけども、当時必要だった。それは世界各国が必要だったっていうことをしっかりとこれは、日本だけでなくて世界各国で必要だった、必要としていたということをアメリカに対してだって言っていかないと、これ、日本だけの問題として矮小化されて、私はこれはもういよいよ、こういうサンフランシスコ市のそういうところにも、日本だけを取り上げて教育が始まっていくと。本当に残念だなと思いますね。これは人権問題としてきちっと世界各国で考えていかなきゃいけないし、今の、確かにこれは正当化なんてことは絶対できないし、やはりそこで苦痛を味わった女性の方々に対してわれわれが思いをはせて、二度とこういうことがないように、しっかりと政治でもメディアでもそうですけども、国自体がそういう思い、決意をしていかなければいけない。これは当たり前のことですからね。 日本の問題としてだけ矮小化されて、これはアメリカでも同じようなことをいくらでもやってたのにね。それを日本の問題にすり替えて、そしてサンフランシスコ市で教材を使って教育をこれからし始めていくと。非常に残念で、こういうところはしっかりと声を上げていかなきゃいけない。そういう意味で僕は問題提起をしたつもりでありまして、朝日新聞が吉田証言の記事については取り消しに至ったということと、慰安婦って問題についても多くの国民の皆さんが、これまではメディアに出てくる自称インテリがこの問題を取り上げると、とにかく全部ふたをしてしまうという、そういう状況の中で今、徐々に徐々に、慰安婦問題についてはいろいろ考えることがあるんだなと。決して正当化できないけれども当時、やはり戦時において、これは世界各国が必要としていたから戦場における女性の人権問題っていうものが、ずっとこれ、解決されずにいまだに続いているわけです。そういうところをやっぱり正していくためにも、この問題は日本の問題として矮小化させずに、世界各国の普遍的な人権問題としてきちんと取り組むべきということは、日本としても世界各国に向けて発信していかないと、とんでもないこういう教育がこれから世界で行われていく。 外交戦争になれば、歴史戦争になれば中国の力なんていうのはもうすさまじく強いんですから。放っておいたらこれ、日本の問題だけとして、いろんなところで本当に教材、教科書になってこれが教育されていく。これは由々しき事態だというふうに思っております。以上です。