ひさびさに“ルーキー優勝”がなかった2024年 近年で“豊作”だったのは何期生? “最短”で達成したのは誰?
コロナ禍を除くとルーキー優勝がなかったのは8年ぶり
国内女子ツアーは先週、2024年シーズンの競技をすべて終えましたが、今季は華やかな話題となる「ルーキー優勝」を成し遂げる選手が誕生しませんでした。「ルーキー優勝」がなかったのは、コロナ禍でルーキーのプレー機会がごく限られた21年を除くと、16年以来、8年ぶりのことです。 【動画】「危なかったですね(笑)」 薄氷のバーディーに思わず舌を出す原英莉花のスーパーショット→ギリギリパット これが実際の映像です
シーズン終盤、いわゆるラス前の「大王製紙エリエールレディス」とその前週の「伊藤園レディス」で、一時トップに立つなどの大活躍で、一躍人気プレーヤーになった政田夢乃。その活躍を伝えるメディアには、「ルーキー・政田夢乃、初の最終日最終組でツアー初優勝&初シード権を目指す!」と言ったキャッチーな文言が並びました。 国内女子ツアーの「ルーキー優勝」は、昨年は神谷そらがプロデビューからわずか8試合目、予選通過4試合目のスピード優勝。一昨年(2022年)は、19歳ルーキーの川崎春花が日本女子プロゴルフ選手権で、いきなりのメジャー制覇。その翌週には、同じく19歳ルーキーの尾関彩美悠が達成するなど、ツアーに華やかな話題をもたらしています。 彼女たちは、いずれもJLPGA入会したルーキーシーズンの優勝ですから、まさしく「ルーキー優勝」です。しかし、18年以前は、プロテストは夏に実施され、合格者は直後に入会するという制度でした。ですから、その後の半年間は正真正銘の「ルーキー」なのですが、例えば18年7月に入会した河本結は、残るシーズンで5試合プレーした後、翌19年の4試合目「アクサレディス」で遂げた初優勝も、メディアでは「ルーキー優勝」と伝えられています。 どうやら、「ルーキー」に公的な定義はないようです。
90期生がルーキー優勝の実績ではダントツ
そこでルーキー期間をJLPGA入会日から1年間として、「ルーキー優勝」の実績を調べたものが下の表になります。表の見方は左から、ツアー初優勝年、氏名、JLPGA入会日、初優勝までの試合数です。 2017年 畑岡奈紗 16年10月10日(89期生) 5試合目 2018年 新垣比菜 17年7月29日(89期生) 10試合目 大里桃子 18年7月28日(90期生) 3試合目 2019年 河本 結 同上 9試合目 渋野日向子 同上 9試合目 原英莉花 同上 26試合目 稲見萌寧 同上 14試合目 2020年 古江彩佳 19年10月23日(91期生) 10試合目 笹生優花 20年1月1日(92期生) 2試合目 西村優菜 同上 10試合目 2022年 岩井千怜 21年6月26日(93期生) 17試合目 川崎春花 22年1月1日(94期生) 11試合目 尾関彩美悠 同上 17試合目 2023年 神谷そら 23年1月1日(95期生) 8試合目 注:「ツアー初優勝年」はJLPGA入会後の優勝。「初優勝までの試合数」は同入会後の出場試合数。ただし、畑岡奈紗は同入会前にプロ登録を行った日を記載し、アマチュアでの優勝はカウントせず。 「但し書き」が必要なのが21年。20年度の最終プロテストは、もともと11月に予定されていたのですが、コロナ禍により実施は翌21年6月まで延期。そして、合格した岩井明愛・千怜が含まれる93期生は、同年はツアー競技でプレーする機会は限られるため、ルーキー年は翌22年としています。 畑岡奈紗がプロになって初めて優勝(16年にアマチュア優勝)した17年「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」以来続いてきたルーキー優勝は今年で途絶えてしまいましたが、さて、来年は? 日本女子アマチュア優勝の寺岡沙弥香や今年、アマチュアとしてステップ・アップ・ツアーで優勝している都玲華など、有力と目される選手が少なくありませんが、どうなるか今から楽しみです。
小関洋一