そもそも冬場は使えない決まり 降雪地域にあるJリーグクラブが秋春制で抱える難題とは
解消すべき課題は小さくない
開幕時期が現行の2月から8月に変わることになったJリーグ。多くのクラブの賛同は得られているが、長野県内など降雪地域を本拠地とするクラブの練習拠点などには、芝の冬季利用が規制されているところもある。シーズン移行までに解消すべき課題は小さくない。 【写真】スタジアムに積雪することがあることも。松本山雅のホームゲームが行われるアルウィンも
松本市スポーツ施設整備課によると、松本山雅FCが練習拠点とする同市の「かりがねサッカー場」の天然芝グラウンドは12月から翌年2月まで使用しないと市条例で定めている。同課担当者は「良い状態で使うには冬場に芝を養生する必要がある」と説明した。
冬場に使うのは難しいのではないか
同じく山雅が練習拠点とする塩尻市のサンコーグリーンフィールドも使用期間を4~11月と規定。市都市計画課の担当者は、要請があれば使用期間変更を検討することになるだろうとの見方を示しつつ「11月の芝の状況を見ると、冬場に使うのは難しいのではないか」とした。
ルールにのっとって対応する
AC長野パルセイロのホーム、長野Uスタジアムなどがある長野市は、条例改正などは必要なく「リーグが定めるルールにのっとって対応する」(スポーツ課)との立場だ。ただ、芝の冬季利用については今後、耐久性や排水能力などを確認するという。寒さ対策としての観客席へのヒーター設置は大規模改修が必要になるため「現状では考えていない」とした。
一方、松本山雅FCのサポーター組織「松本山雅大旗隊」の隊長を務める松崎裕明さん(50)=上伊那郡南箕輪村=は、冬場の観客減を心配しつつ、冬季に中断期間が設けられることを踏まえて「問題ないのではないか」とシーズン移行に理解を示した。
山雅後援会の風間敏行専務理事(61)=松本市=は「冬季の試合では客席やコンコースでの防寒対策などが必要になる。しっかりと対策してほしい」とクラブ側に求めた。