わが家のシオ対応、ようやく完結!「粟国の塩」と万能調味塩「白えび万能調味塩」【本日のお気に入り】
子どもの頃、私は母と祖母との3人暮らしでした。熊本生まれで京都に嫁いだ祖母と京都生まれの母、そして大阪生まれの私。関西系の我が家では料理の味つけのベースは「塩」で、うす塩が基本でした。祖母は、たとえば鶏の唐揚げは塩と日本酒で下味をつけ、野菜炒めは塩とこしょう、汁ものはうどんや素麺もおだしと塩と日本酒で味を決めて、しょうゆは必要なら仕上げにちょっとたらす程度。また、当時はうまみ調味料全盛時代で、祖母もよく使っていました。 【写真6枚】塩といったらこれ一筋!我が家に欠かせない「粟国(あぐに)の塩」と「白えび万能調味塩」を写真で見る。それぞれを使った料理も そんなわけで、19歳でひとり暮らしを始めた私も、一家の塩伝統を受け継ぎ、鶏の唐揚げは塩!ラーメンも塩!サラダは塩とレモンとマヨネーズ!を今日まで守っています。とはいえ、昔から“塩”にこだわっていたわけではありません。1990年代後半、自然塩ブームが盛り上がりつつある中、取材で「粟国の塩」に出合うまではーーー。
20年来の“塩梅の相棒”。まろやかなにがりが食材のうまみを引き出す「粟国の塩」
「粟国の塩」は沖縄の小さな孤島、粟国島北部にある沖縄海塩研究所で製塩されている海塩です。ポンプで汲み上げた海水を約1万5000本の孟宗竹に流し、1週間ほど繰り返し循環させ、太陽熱と海風によって水分を飛ばしながら塩分濃度6~7倍(塩分約20%)のかん水を作ります。その後、薪を燃やした平釜で20~40時間煮詰めることで、適度に「にがり」(マグネシウムやカリウムなど60種類以上のミネラル成分)が残った「粟国の塩」が完成します。最後に自然乾燥させて袋詰めするのですが、すべての工程は今も、手作業で行われています。 取材時に、乾燥中の塩を味見させていただいたのですが、思わず「わっ、おいしい」と呟いてしまいました。尖った辛さがなく、すっと舌の上で溶けてふわっと残るほのかな甘み。海塩ってこんなにうまみがあるんだ……。」 沖縄海塩研究所創業者の小渡幸信さん(故人)の「母体の羊水は海水の組成と非常によく似ているんですよ。だから、自然に逆らわず、適度ににがりが残った塩を私たちがおいしいと思うのは当然のこと。いわば海水に守られて育った命ですから」という言葉は、20年以上経ったいまでも脳裏に残っています。 この取材以来、私は「粟国の塩」ひと筋です。ほんの少し加えるだけで、食材の持ち味を引き出して上質のうまみに昇華させるというか、ほっとする味わいになるんですよね。ひと袋800円ほどしますが、毎日使ってもなかなか減らないので、コスパも◎です。