大雨で増水した用水路（11日午前8時40分ごろ、沖の旦で）

　九州付近に停滞する梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、県内は大気の状態が非常に不安定になっており、10日夜から11日明け方にかけて、宇部市内も断続的に激しい雨が降った。 　 　11日午前1時からの1時間に東岐波では78・5㍉（市防災危機管理課調べ）を観測。降り始めからの雨量も市内各地で150㍉を超えた。午前10時に市内の2452世帯6422人を対象とした警戒レベル4の避難指示は解除されたものの、12日明け方まで断続的に雷を伴った激しい雨が降る恐れがあり、下関地方気象台は厳重な警戒を呼び掛けている。 　 　避難指示は、土砂災害の恐れが高いとして市内19地区の土砂災害警戒区域とその周辺の2332世帯6236人、厚東川からの浸水の恐れが高いとして厚東地区の棚井上・中・下、末信、広瀬、関口、駅前、岡村（厚東川西側の地域）、持世寺に発令されていた。85カ所に開設された避難場所には一時、9世帯21人が避難した。 　 　午前7時現在で、市内で被害が確認されているのは、建物の床上浸水1件、床下浸水3件。市道が3カ所で冠水のため通行止めとなっている。 　 　県内のJR各線は、始発から運転を見合わせており、宇部、小野田、山口の各線と山陽線の岩国－下関駅間は、終日運転取りやめが決まった。 　 　この雨の影響で、市内の高校は6校が休校となった。厚東川中と厚東小は登校時間を遅らせる対応を取った。