元KARAク・ハラ、自殺未遂から生還 韓国芸能界なぜ相次ぐ?
芸能人の自殺多い? 韓国の現状
それにしても韓国では芸能人の自殺が多い印象がある。昨年3月にはセクハラ疑惑の渦中で警察出頭を前に俳優チョ・ミンギが自殺。17年12月には「SHINee」のメンバー、ジョンヒョンが姉に「今まで辛かった」など自殺をほのめかすメールを送った後に命を絶った。16年6月には幾度か覚せい剤事件を起こしていた俳優のキム・ソンミン。15年12月には女優のカン・ドゥリが22歳の若さで。同年10月には人気女性歌手のキム・ヒョンジが自殺サイトで出会ったと思われる男性2人とともに。さらに同年2月にはKARAの候補生的グループ、Baby KARAのソジンが自宅マンションの花壇で死亡しているのが発見され、飛び降り自殺を図ったのでは、と報じられた。このように、それぞれ理由も背景も異なるが、キリがないほど自殺が相次いでいる印象だ。 「韓国は、そもそも国自体の自殺率が高いんです。今年の『自殺予防白書』では2017年の自殺者数は1万2463人と、前年に比べ629人(4.8%)減少していますが、それでもOECD(経済協力開発機構)加盟国の中ではリトアニアに次いで2番目。6官庁と警察庁など3機関が共同対応する『自殺予防国家行動計画』を政府が打ち出したほど、深刻な社会問題としてとらえられています」と、韓国という国自体の問題を指摘するのは、週刊誌の50代男性記者。 また、K-POP事情に詳しい音楽プロデューサーの40代男性は話す。 「韓国の芸能界は、タレントの数が多い割に仕事数が限られていて日本以上に競争が激しい。くわえて事務所とタレントの金の取り分も7対3から8対2ということも珍しくなく、厳しい状況のもと過当競争にさらされているんです。また、ネットでの誹謗中傷の激しさも日本以上にえげつない。所属事務所が矢面に立ってプロテクトしてくれることもあまりなく、タレント自身が抱え込んでしまいがちな構造がある」 何はともあれ、ク・ハラの自殺が未遂にとどまり、これからの芸能活動に希望を持てることはファンにとって救われた気持ちだろう。また元気な姿を見せて欲しい。 (取材・文・撮影:志和浩司)