スランプから脱却、決勝の大一番で長距離砲を沈めた琉球ゴールデンキングスの松脇圭志「いつも以上に打たないといけない気持ちで」
守備でも奮闘「自分がビッグマンを止めるつもりでプレーしています」
また、今日の松脇は3&Dのディフェンスの部分でも見事な活躍だった。第4クォーターには、185cmの松脇より一回り以上も大きい206cmのニック・メイヨとマッチアップする機会も多かったが、コンタクトの強さを発揮しメイヨにポストアップからシュートを打たせなかった。第4クォーターの勝負どころにおいて広島の外国籍2人、帰化枠の河田を同時起用するビッグラインナップに対し、琉球が連携と機動力重視の日本人3人、外国籍2人のマッチアップで耐えられたのは松脇の貢献による部分が大きかった。 このディフェンス面について松脇は「チーム自体がすごくインテンシティが高かったので、僕がそれを下げないようにと思いベンチから出ていました。満点ではないですけど、それなりにディフェンスできたのかと思います」と総括する。 そして、外国籍フォワード相手の守備については、このような心構えで臨んでいると続ける。「自分がビッグマンを止めるつもりでプレーしていますし、相手が3ビッグをしてくることに対して、そこまで引き気味にはなっていないです。自分のディフェンスであり、チームディフェンスをやれば完全にやられることはないと思います」 今日の試合、琉球は松脇に加え、牧隼利も貴重な3ポイントシュート2本を沈めた。千葉Jとのセミファイナル第2戦、第3戦に続き、脇役たちが攻守でチームに活気を与えたことが大きな勝因となった。この層の厚さこそ琉球の大きな武器であり、松脇も「僕も牧もそうですし、セカンドのメンバーがシュートを決めたり、盛り上げることはチャンピオンシップでより大事になってくると思います」と強く意識する。 この盛り上げるという部分でいうと、若手を中心に『ゴールデンキングス』のチーム名にあやかり髪を金髪にしていることもチームの結束を高める1つの要素となっている。沖縄アリーナが誕生する前の2018-19シーズン、古川孝敏や須田侑太郎、橋本竜馬やアイラ・ブラウンなどが在籍していた当時のチームで、多くの選手が金髪に染めて戦ったことがある。 そういう過去も踏まえ、レギュラーシーズン最終節で広島に敗れ4連敗を喫した後、牧の提案で悪い流れを変えるきっかけになればと若手から率先した金髪に染めた。そこからチームの流れが変わり、セミファイナルの前にはアレン・ダーラムが金髪になるなど徐々に人数が増えた。松脇は「まずは同じ世代でやれって牧に言われて、やりたくはなかったですが、渋々やりました」と明かしたが、しっかりと染めるところにチーム愛が見える。 明日の第2戦、あとがない広島は今日以上に強い気持ちで序盤からアグレッシブに戦ってくる。この相手の激しい圧力を跳ね返すためにも、セカンドユニットのキーマンとして松脇が攻守で再びインパクトをもたらすことに期待だ。
鈴木栄一
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