DLのマー君に最悪ケースの前兆?
最低でも、1ヶ月の戦列離脱という状況に、即、反応したのが、サイヤング賞受賞投手のペドロ・マルチネス氏。田中離脱の情報が流れるといちはやくツイッターで「田中には申し訳ないが、そうなると思っていた。この後退は、気の毒だ。彼の幸運と1日も早い回復を祈る」とつぶやいた。マルチネス氏は、田中の初登板の後で「彼はヘルシーな状態ではないと断言できる。このまま無理してやれば、今シーズン途中に肘は更に悪化する」と警鐘鳴らした人物。田中が、後日、「あれだけの名投手に話題にしてもらって光栄です。彼に会ったら握手をお願いします」と批評をさらりと交わす大人の対応をして話題になった。マルチネス氏は田中に同情的で早期復帰を願っているが、一方で「さもありなん」と頷いていることだろう。 ヤンキースにとっては頭の痛い問題ではある。セカンドオピニオンや良識者の意見を重ねた上、メスを入れずに投げ続けることを決断した田中だが、新しい投球を模索する上で、他の場所に負担が掛かって戦列離脱する状況は、今後も先行き不透明な不安材料を抱え込むことになる。例え今回手首や前腕が最短で治っても、今後も温存療法で投げる限り、この先6年残る契約期間中に他の部分を痛めない保証はないからだ。こんなことなら、去年の7月に手術してしまえば、最短で今シーズンの終盤に戦列に戻れたはずなのに、先延ばしにしたことで、万全でない状態を長引かせているという周囲の批評も出てくるだろう。 当面は7日間から10日間のノースロー調整で最低1ヶ月は戦列を離れることになったマー君。その前途には依然、暗雲が立ち込めていると言わざるをえない。