DLのマー君に最悪ケースの前兆?
ヤンキースに激震が走った。田中将大投手(26)が28日(日本時間29日)、右手首の炎症と前腕の軽い張りのため、15日間の故障者リストに入った。前回登板のタイガース戦で強力打線を封じ、2試合連続の好投で周囲の雑音を封じていたが、衝撃の戦列離脱で、一旦は、鎮火していたトミー・ジョン(靭帯再建)手術の懸念が再び浮上してきた。いまだ解消されない不安の種がくすぶることになった。 田中は29日のレイズ戦に備えて26日にブルペン投球練習を行った。その翌日となる28日に違和感を感じ、更に、この日痛みが増したことから、MRI検査に踏み切ったという。昨年7月に異常を訴え、靭帯の部分断裂と診断された右肘についても念のためMRI検査を受けた結果、異常はなかったというが、果たして今回の違和感は、全く不安の残っている肘とは無関係なものなのか。 球団が発表した診断結果の「前腕の軽い張り」というのが気になる。というのも、過去に靭帯を断絶していた元レッドソックスの松坂大輔投手(現ソフトバンク)も、トミー・ジョン手術に至る前に違和感を訴えたのは、肘そのものではなく、「前腕の張り」だった。すでに、手術を受けたレンジャースのダルビッシュ有投手の場合は、「上腕三頭筋」の違和感を訴え、その後で肘靭帯の部分断裂が発覚した。肘そのものに問題がなくても、付随する周辺筋肉が最初に異常を察知し体に信号を送るのはよくあるケース。MRIの結果が問題なかったとはいえ、マー君の「前腕の張り」は、何かの前兆なのか。 マー君が過去に経験ないという手首の違和感はどうか。爆弾をかかえる右肘への負担を考慮して、今季から肘に負担のかかるフォーシームの球数を減らして、ツーシームを主体としたピッチングスタイルへ変えようとしている。それでも勝負どころでは、スプリットに頼らざるをえないため、そうスプリットが減っていないことが指摘されている。他の球種よりも、手首を固定した形で、投げるスプリット系のボールを多投すると、手首に負担がかかると言われている。多投したスプリットがその原因なのか。いくら適応能力の高さに定評ある田中でも、ピッチングを変えた影響で、体が悲鳴をあげたのかもしれない。