転職した会社で「社会保険は自分で入って」と言われました。法人でこんな会社ってあるのでしょうか?
一定の条件を満たしている会社は、従業員を社会保険に加入させなければならないという決まりがあります。 しかし「転職した会社では、社会保険には自分で入るようにいわれてしまった」ということも起こり得ますので、注意が必要です。 本記事では、社会保険への加入が義務付付られている会社の条件とともに、会社に申し出ても、社会保険への加入をしてくれない場合の対処法についてもご紹介します。
社会保険への加入が必要な会社の条件とは?
健康保険・厚生年金保険への加入が法律で義務づけられている会社のことを「強制適用事業所」といいます。 強制適用事業所に該当するのは、国または法人の事業所と、常時5人以上の従業員がいる個人事業所のうち、農林水産業やサービス業などを除く事業所です。 さらに令和4年10月以降は、新たに弁護士や公認会計士、税理士などの個人事務所も、従業員が常時5人以上いれば、強制適用事務所に該当するようになりました。強制適用事業所で働く労働者は、会社が社会保険に加入させなければなりません。 もし未加入の場合は、過去2年間にさかのぼって、未納分の保険料を支払わなければならなくなるでしょう。状況によっては、懲役や罰金などの処分が科せられることになる可能性もあります。
未加入の場合、まずは会社に申し出る
社会保険とは、一般的には健康保険と厚生年金保険のことを指します。健康保険は、けがや病気などで医療機関を受診することになった際に、医療費の一部が負担されたり傷病手当金が支給されたりする保険です。 一方の厚生年金保険は、将来受け取ることができる年金のための保険です。 未加入の状態が続くと、こうした保障を受けられなくなるため、国民健康保険や国民年金に加入して、自分で保険料を支払わなければなりません。そのため、会社が加入してくれない場合は、早急に申し出る必要があります。
会社が取り合ってくれない場合は公的機関や弁護士に相談を
社会保険に加入するように会社に申し出ても取り合ってくれない場合は、公的機関を利用するとよいでしょう。 健康保険は全国健康保険協会、厚生年金保険は年金事務所が管轄になるため、会社が未加入であること、申し出ても取り合ってもらえないことを相談しましょう。 また「もったいないので保険料を払いたくない」という理由で社会保険に未加入だった場合などは、ほかにも違法な行為をしていることも考えられるため、早めに転職を考えることをおすすめします。 もし退職のことで会社ともめるようであれば、弁護士への相談も検討しましょう。