訪日観光客に大人気!九州のソウルフード「資さんうどん」が支持を集めるワケ…丸亀製麺、はなまるうどんに迫る「うどんチェーン第三極」になる可能性
海外客が求める「お手頃グルメ」
世界各地から日本を訪れる観光客(訪日外客数・インバウンド)は年間2500万人(2023年度:日本政府観光局調べ)にのぼり、食の好みも千差万別。高価な絶品食材やSNS映えするメニューを好む場合もあれば、そうでない場合もある。 【写真】これがうまい!「資さんうどん」絶品メニューの数々…! その中で、1食1000円をほぼ越えないお手頃グルメ「資(すけ)さんうどん」が、九州を訪れる訪日観光客、なかでも台湾・中国の人々の間で人気を集めているという。 資さんうどんは、創業の地である福岡県北九州市で50年近くも複数店を構え、北九州市民のソウルフード(思い入れのある味)と言われて久しい。名物の「肉ごぼ天うどん」はごぼうの天ぷらの旨味が風味豊かなダシに染みこみ、麺との相性も抜群。来店客の8割が1ヵ月内に「資さん」をリピートすると言われ、週に2度、3度と来店する常連客も多いという。 なお、資さんうどんは中国で「資桑烏龍麺」、台湾で「資先生烏龍麺」と呼ばれ、浸透しているそうだ。そんな資さんうどんは、なぜ中国・台湾からの訪日客に受け入れられているのだろうか。
国境を越えて好まれる「出汁」
ブログやSNSを見る限り、資さんうどん来店の動機は「ホテルに荷物を置いて街をぶらぶらしていたら店を見つけた」「日本の友人の紹介」などが多く、最初から「資さん」目的というケースは、きわめて少ない。 また食べ方・楽しみ方も「天ぷらをダシに浸して旨味をアップさせる」「取り放題のとろろ昆布で、途中から味を変えて楽しむ(味変)」など、日本の資さんファンとさして変わらない。 ただ、サバ節・しいたけなどをベースに1日何度も取っているという出汁(スープ)の美味さは、概して高評価のようだ。「美味しい!」と激賞される訳ではないものの、「これは毎日食べられる」「長期滞在の際に3日に1回は食べていた。台湾に帰ったら資さんがないので悲しい」など、資さんうどんの魅力に、地味にハマってしまった方も多いようだ。 資さんうどんがアジア圏からの訪日客に受け入れられている原因は、複数考えられる。まず、この地域には日本と似た食文化があり、資さんうどんの自慢である出汁への理解があることが大きい。 特に台湾では、昔から「麺線」(昆布出汁ベースの麺料理)やおでんなどが馴染み深く、昆布・サバ節などのうま味を生かした出汁は、台湾グルメの象徴である屋台の代表的な味だ。台湾の人々は、資さんうどんのような特徴がある出汁を、国境を越えて好むのだろう。