写真：Car Watch

　日本自動車工業会は6月27日、自工会二輪車委員会と報道関係者の意見交換の場として「第10回 自工会 二輪車委員会メディアミーティングinライダーズカフェ」を開催した。 【この記事に関する別の画像を見る】 　同ミーティングには、自工会 副会長兼二輪車委員会 委員長の日髙祥博氏（ヤマハ発動機 代表取締役社長 社長執行役員）と自工会 常務理事の江坂行弘氏、ゲストとしてバイク声優・バイクMCの難波祐香さんが登場、「あなたを虜にするバイクの魅力とは？」をテーマに議論が展開された。 　今回のミーティングは、いつもの会議室を抜け出し、東京都台東区雷門にあるライダーズカフェ「ORTIGA」での開催。バイクのメカニックを経験したマスター田中貞明氏によって、店内は「バイクの世界観」が感じられる空間に仕上げられ、コーヒーを楽しみながらのミーティングとなった。 　ミーティングでは、バイクの魅力についてさまざまな意見が展開されていったが、その中で印象に残ったのはバイクに乗る人が作り出す魅力。バイクに乗る人の魅力が人に伝わり、“自分も乗ってみよう”という気持ちにつながっていくことが、バイク魅力の1つにあるように感じた。 　日髙委員長は「最初に、そもそもなんでバイクに乗ったのかというと、大学時代のバイト先の先輩がみんな乗っていたんですね。で、“かっこよかった”んですよ、やっぱり。バイトが終わってみんなで“お疲れっ！”て時に、先輩たちがバイクにパッとまたがって、ヘルメットを被ってブーンって、バイト先からみんなが帰っていくのを見て、“かっこいい！”って思ってたんで、それがたぶん1番最初」と話した。 　難波さんからは「バイクって、私なんで乗るんだろうなって思ったら、やっぱりお父さんが楽しそうに乗っていたからっていうのがあったりすると思うので、バイクに乗ってない人たちから見て、あの人たち楽しそうでいいよねって言ってもらえるような、そんな乗り方をしていきたいなと思いますし、子供たちに対しても、親子バイク教室の先生をやっていたりすることもあるんですけれども、その時にちゃんとルールを守ってバイクに乗ればこんなに楽しい乗り物なんだよっていうのをもっともっと伝えていきたい」といった思いが語られた。 　また、難波さんは「さっき、あぶない乗り物っていう話もあったんですけど、私、ちっちゃい時から父親に 道具は使い方次第だよっていう話をずっとされていて、包丁も使い方次第だとあぶないものだよねとか、バイクも一緒だよ、ちゃんと使えるようにならなきゃダメだよって言われてたので、バイクの乗る技術だったり整備も含めて、道具としてちゃんと扱ってあげなきゃいけない、大切にしてあげなきゃいけないって、そうやって手をかけていくと自分の道具じゃなくて、もう相棒みたいになっていく」とも話していた。 　コロナ禍を背景にバイクユーザーは拡大した。一方で警察庁の交通事故統計によると、2023年の自動二輪車乗車中の死者数は2022年比14％増で391名となり、原付乗車中の死者数は、2022年比27.2％増の117名と、この過去10年間、減少傾向であった二輪の事故死者数が、2023年は増加に転じてしまったことがあらためて報告された。 　今回のミーティングのテーマ設定「あなたを虜にするバイクの魅力とは？」は、今のバイクブームを一過性のもので終わらせないためにはどうしたらいいのかといった狙いが含まれていたと思うが、ミーティングで語られた話を聞いていると、周囲から憧れられるライダーがいると、バイク文化として次の世代にバイクの魅力が伝わっていくのと同じように、交通安全に対する認識も人から人に伝わっていくのではないか、そんな思いを感じた。 　2024年も自工会では、日本二輪車普及安全協会との共催により、8月19日に東京「アキバ・スクエア」にて「8月19日はバイクの日 HAVE A BIKE DAY」を開催する。イベントは、1989年に政府が二輪車の交通事故撲滅を目的として制定した「バイクの日（8月19日）」に合わせ、二輪車ユーザーをはじめ広く一般の方々に対して交通安全意識の啓発と「バイクの日」の認知度向上を図るとともに、バイクの有用性・利便性を感じてもらうために開催するもので、2024年で16回目を迎える。自工会としても、バイクユーザーに向けて安全運転の啓発活動を続けていく。 　なお、今回のミーティングにゲストとして登場した難波さんも「8月19日はバイクの日 HAVE A BIKE DAY」に出演予定となっている。