ブランド鑑定がフリマアプリの標準に 巧妙化するスーパーコピー品を排除 近ごろ都に流行るもの
同社では、今回の協業のメリットとして、フリマアプリユーザーへの認知度アップを挙げる。「ブランド品を売る場の、もう一つの選択肢に入れてもらいたい。アプリ内の通貨を換金するのにはひと手間かかりますが、店頭ならその場で現金が支払われます。状況に応じて選んでいただければ」
「25年間対策に取り組んできたが、偽造品がこれほど多い時代はない」
最強鑑定の発表会に登壇した業界団体、日本流通自主管理協会の姉川博事務局長が指摘した。要因は大きく2つ。ネットやSNSの普及で消費者が偽造品に出合いやすくなったこと。もうひとつは、3Dプリンターなど工作機械のデジタル化で偽造品の精度が高くなっていることだ。
昔のように「なんちゃって」や「パロディー」風の一目でわかる偽物は減る一方、スーパーコピー品が氾濫。「高価な本物じゃなくてもいい」とそれを受け入れる消費者も一定数おり、知的財産権に対する意識の低さが問題に拍車をかけている。特許庁の担当者も「背後には犯罪組織が存在する」と警告した。
軽率な行為で、取り返しのつかないとがを負うこともある。昨年の東京都足立区議選で初当選した女性区議が、フリマアプリで偽ブランド品を販売した罪で罰金刑を受けていたことが発覚し、任期初日に辞職したことは記憶に新しい。
ブランド品の価値とは、作り手の歴史や文化、物語を含めての総合的なものだ。形だけの〝そっくりさん〟には手を出すなかれ。(重松明子)