熊本市

　熊本市中央、西、南区の一部エリアを所管する熊本県警熊本南署管内で自転車の盗難被害が増えている。1～9月の被害は227台で昨年同期（170台）の約1・3倍に上った。ほとんどはJRなどの駅周辺で発生しており、狙われた自転車の約8割は無施錠だった。 【写真】熊本県警察本部

　同署によると、アルバイト女性（35）は9月12日、熊本市中央区の店舗駐輪場に止めていた自転車（時価2万円相当）がなくなっていることに気付いた。その4日後、近くのスーパーをパトロールしていた署員が女性から盗難届が出された自転車を発見。現れた男（38）は署員から呼びかけられると、自転車で逃走した。その後、途中で乗り捨てて近くのマンションの車庫に隠れていたところを発見され、窃盗容疑で逮捕された。「足代わりに使うために盗んだ」と供述したという。

　窃盗罪は10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。同署は「軽い気持ちで盗むと人生が大きく変わってしまう」と警鐘を鳴らす。

　県警によると、自転車の盗難被害は1～9月、県全体でも1119台が確認されており、前年同期比の約1・2倍になっている。同署では4月から、パトロール中に無施錠の自転車を見つけた際に「盗難被害防止を目的に無施錠の自転車に取り付けています」と書かれたタグを付ける取り組みを実施。村上勝美刑事1課長は「必ず鍵をかけてほしい」と話している。