子どもが3人いると「大学無償化」になるって本当ですか? わが家は「2歳差」なのですが、全員の学費が無償になりますか?「年の差」によっては難しいのでしょうか?
2023年12月22日に閣議決定された「こども未来戦略」において「多子世帯の大学等の授業料等無償化」が盛り込まれ、話題になりました。ここで言う多子世帯とは「3人以上の子どもを扶養する世帯」を指しています。 本記事では、無償化となる条件を確認するとともに、2歳ずつ年の離れた3きょうだいのケースと、1歳ずつ年の離れた3きょうだいのケースで、実際にどれくらい無償化の恩恵を受けられるのかシミュレーションします。整理しながら理解していきましょう。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
「3人以上の子どもを扶養している」状況とは
「3人以上の子どもがいる世帯は大学無償化」という言葉に、「子どもが3人いれば条件に当てはまり、3人のきょうだい全員が大学無償化の対象になる」と思いがちですが、そうではありません。あくまでも「親世帯が子ども3人以上を扶養している間」は、子どもの通う大学等の学費が、実質無償化になるというものです。 具体的には、3きょうだい全員が親の扶養を受けている時期は、その間大学生等の身分であるきょうだい全員の学費が無償化されますが、3きょうだいのうち1人でも親世代の扶養を外れて働くようになると、「親世帯が3人以上を扶養している」という条件に当てはまらなくなり、この世帯は無償化の対象外となります。 文部科学省の資料によれば、この政策の考え方・目指す効果は以下とされています。 ・子どもが何人いても、全ての世帯の大学等の授業料等の負担を最大2人分までにする ・「同時に多くの子どもを扶養して、家計負担が重くなっている時期」の教育費負担を軽減 ・多子世帯において、長子等の教育費負担が第2子以降に影響しないようにする 2人きょうだいまでの場合は大学等の学費は全額家庭が負担、3人きょうだい以上であれば全額無償化という状況では差がありすぎて、国民からの反発も予想されます。 「親世帯が3人以上を扶養している間」という条件は、ひとりっ子や2人きょうだいを扶養する家庭と、3人以上のきょうだいを扶養する家庭との間の公的支援額の格差を防ぐための措置とも言えるでしょう。