「根尾ともう一度戦いたい」大阪桐蔭“最強世代”のキャプテン・中川卓也(東京ガス)の現在地と夢
根尾 昂(中日)、藤原 恭太(ロッテ)らを擁し、2018年夏の甲子園を制した大阪桐蔭。“最強世代”と呼ばれたチームのキャプテン・中川 卓也は現在、社会人野球の強豪・東京ガスでプレーしている。 【動画】大阪桐蔭最強世代の主将・中川卓振り返る濃密な1年間 今年で入社2年目となる中川は、8日から開幕したJABA長野大会予選ブロック初戦の伏木海陸運送戦で2番DHで出場。試合には3対4で敗れたものの、打席では持ち前の長打力をみせた。 またこの日、甲子園球場では母校の初戦が行われ、大阪桐蔭は興南に5対0で勝利。試合後に、結果を知った中川は喜びの笑みをみせた。
社会人になってからも、西谷監督からの教えは心に残っている。
「西谷監督からいろんなことを口酸っぱく言われてきましたが、『最後は人間力だぞ』という言葉は、卒業してからもずっと心に残っていて、肝に銘じながら今でも野球と向き合っています。最後は人間力で勝負なんだと」 2018年夏、中川が最も記憶に残っているのは、北大阪大会準決勝の履正社戦だったという。 この試合、1点を追いかける大阪桐蔭は、9回二死ランナー無しの場面から、4連続四球で同点に追いつくと、最後は2点適時打で勝ち越し、決勝進出を決めた。 中川も、3連続ファウルで粘ったあとに、しっかりとボールを見極め、四球を選んだ。 「今まで野球をやってきて、あの打席ほど、緊張した打席はなかったですね。あの試合は高校3年間の中でも一番印象に残っています」 そんな中川に、高校時代に対戦したピッチャーの中で、再戦したい選手を聞いてみた。 「根尾や柿木(蓮)です。大阪桐蔭の同期ともう一度対決をしたいです。3年間、毎日シートバッティングして、その中で何十打席とホームランを打って、何十打席と三振も取られてきました。今もう一度、同期たちと本気の打席対決をしてみたいですね」 中川は今、社会人野球選手として新たな目標を打ち立てている。 「10年連続で都市対抗に出場できるような息の長い社会人選手になりたいです」 甲子園でプレーする後輩たちにエールを送りながら、高校時代の記憶と教えを胸に中川は、まだまだ長い野球人生を歩み続ける。 取材・文/安田未由