岸田総理が考える、「史上最低の総裁再選戦略」...「支持率が上がらないなら、ライバルを蹴落とせばいいじゃない」
自民党が再び野党に転落する日
こう考えれば11月に大統領選を控えたこのタイミングで、麻生がわざわざ渡米し、トランプ前大統領と会談したことも得心がいく。 「麻生さんはかねてより『俺は岸田を支え続ける』と周囲に言っている。トランプとの会談も、表向きは官邸も『一議員として行われたもの』(林芳正官房長官)と説明しているが、事前に岸田さんと相談したことはあきらかです。これこそ岸田再選のための戦略でした。 すでに岸田さんはバイデン政権とは信頼関係を築いている。日米首脳会談はそのアピールでした。 もし11月の米大統領選でトランプが勝った場合には、パイプがあるのは麻生さんだけ。となると麻生さんが推す岸田さん以外にトランプとまともに交渉できる総理候補はいない。これは岸田総裁の再選に有利に働くのではないか。そう思って麻生さんはメディアを引き連れて訪米したのです」(全国紙政治部記者) さらに岸田は党の人事制度に大きな変更を加えることで、権力を一手に掌握しようとしている。 「派閥の人事関与を断つために検討している人事制度の原案では、幹事長ら『党七役』に対して、代行や代理などの部下を選ぶ権限をそれぞれ付与することになっています。これまでは党本部が派閥のバランスを考慮して決めていたのですが、今後、党七役は自分の意に沿う議員を引き上げることができる。 そして、その党七役の人事を握っているのは総裁に他なりません。もはや誰も岸田さんに逆らえなくなる」(同前) 解散せずに、総裁選で再選される─これが岸田が現時点で考えているメインシナリオだろう。 しかしその先のことは何も考えていないに違いない。来年には参院選もあるし、衆院も任期満了を迎える。その間、物価は上がり続け、国民の暮らしは大変になるばかり。 断末魔の自民党─再び下野する日がやってくるのも近い。 (文中敬称略) 「週刊現代」2024年5月11日号より もっと読む【完全予測】落選する「裏ガネ議員」全実名を大公開…! 岸田の「6月ヤケクソ解散」で自民党がボロ負けする【東日本編】
週刊現代(講談社)