LVMH率いるアルノー氏、カルティエ親会社の株式取得-関係者
(ブルームバーグ): フランスの高級品ブランド、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンを率いるベルナール・アルノー氏が、カルティエの親会社であるリシュモンの株式を個人的に取得したと、フランスの富豪の投資に詳しい関係者が明らかにした。
LVMHの会長兼最高経営責任者(CEO)であるアルノー氏がリシュモン株をどの程度保有しているかは不明だ。ある関係者によれば、保有は「小規模」でありアルノー家が所有する上場企業の幅広い投資ポートフォリオの一部だという。
アルノー氏は現在、この株式を投資としてのみ保有する意向だと、同関係者は部外秘だとして匿名を条件に述べた。
アルノー氏の株保有については「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」誌に掲載された同氏の幅広いプロフィルの一部で明らかになった。
リシュモン株はチューリヒ市場で一時3.1%上昇、過去12カ月では2.4%下落している。LVMHはパリで0.7%高で取引された。
アルノー氏とLVMHの担当者はコメントを控えた。
LVMHは世界的な高級品販売会社であり、欧州で時価総額3位の企業。LVMHの時価総額は3660億ユーロ(約62兆6000億円、リシュモンは847億スイス・フラン(約15兆1000億円)。
アルノー氏がリシュモン株を保有していることは、同氏の意図への疑問を呼ぶきっかけになるかもしれない。リシュモンは、ヨハン・ルパート会長(74)が議決権の51%を支配しているため、望まない買収に対しては強力な防御策を持っている。過去数年間、同会長はグループの独立を維持したい考えを強調してきた。
アルノー氏(75)は1月に行われたLVMHの年次決算発表で、リシュモンのカルティエとヴァン クリーフ&アーペルを「2つの偉大なブランド」と評価した。ルパート氏の経営についても賞賛。
ルパート氏の「戦略を邪魔するつもりはないし、同氏が独立を望んでいることも理解している。独立を維持するためにサポートが必要であれば、私はそこにいるつもりだ」と語っていた。